◆卓球 ◇世界選手権個人戦 第6日(22日、カタール・ドーハ=ルサイル・アリーナ)

【ドーハ(カタール)22日=宮下京香】女子シングルスで初出場の世界ランク8位・大藤(おおどう)沙月(ミキハウス)がメダル獲得に王手をかけた。4回戦で同134位のレア・ラコバッツ(クロアチア)を4―0で退け、8強入り。

3位決定戦がないため、準々決勝に勝てば、混合ダブルスに続く今大会2つ目のメダル獲得が決まる。前回23年大会銅メダルの早田ひな(日本生命)、16歳の張本美和(木下グループ)、伊藤美誠(スターツ)も準々決勝に進んだ。

 貫禄すら感じさせた。第4ゲーム(G)7―4で、大藤は相手の独特なサーブに、回り込むと狙い澄ましてフォアを打ち抜いた。持ち前の攻めの姿勢で、2回戦で17年銅の平野美宇を破った難敵をストレートで一蹴。4強入りした混合ダブルスに続く初出場で2つ目のメダルに王手をかけた21歳は「平野選手に勝って、勢いのある選手で緊張していたけど、自分のプレーができて良かった」と胸を張った。

 躍進の契機があった。昨年の全日本選手権でパリ五輪代表を決めた平野に0―4で完敗。28年ロサンゼルス五輪を目指す中、「このままでは上の選手に勝てない」とスタイルを変える決断した。守備型から、坂本竜介コーチの指導の下、ラケットも含めて「全部攻める卓球にしよう」。最初の2か月は球を打ちたい気持ちを抑え「振るだけの練習」と地道な努力で武器を手に入れた。

 初出場の世界選手権個人戦では3種目に出場。

横井咲桜(ミキハウス)と組む世界ランク1位の女子ダブルスでは、申裕斌(しん・ゆびん)、ユ・ハンナ組(韓国)に1―3で敗れ、悔し涙を流した。残り2種目に懸ける。大藤は「こういう大舞台が大好き。行けるところまで行きたい」と気持ちを切り替えて、高みを目指す。

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