単勝10倍以上の馬は、2000年以降で【6・11・15・331】。05年と24年以外は必ず1頭は来ている。

ただ、1着は13年メイショウマンボ(9番人気)が最後で、近10年は【0・5・5・135】と勝った馬はいない。桜花賞で力関係がある程度はっきりするため、大荒れにはならないが、伏兵には注意が必要となる。

 レースの傾向としてはっきりしているのが、上がり3ハロン上位の馬が強いということ。過去10年で同1位は【8・2・1・2】と勝率61・5%、3着内率は84・6%にもなる。24年までの10年間で東京競馬場で行われた全G1での上がり3ハロン1位の平均勝率が27・3%、3着内率が64・8%と比べても最後の直線で速い脚を使える馬が断然有利となる。

 そう考えると、桜花賞の3着までの馬の信頼性は相当高いと思われる。ただ、過去10年に単勝10倍以上で3着内に入った馬をみると、4角7番手以内にいた馬が10頭中8頭を占めた。

 ▽15年クルミナル3着(6番人気)4角6番手から上がり3ハロン4位。

 ▽16年ビッシュ3着(5番人気)4角5番手から同7位。

 ▽17年モズカッチャン2着(6番人気)4角5番手から同3位。

 ▽18年リリーノーブル2着(4番人気)4角3番手から同2位。

 ▽19年カレンブーケドール2着(12番人気)4角4番手から同5位。

 ▽20年ウインマリリン2着(7番人気)4角4番手から同7位。

 ▽20年ウインマイティー3着(13番人気)4角4番手から同8位。

 ▽22年スタニングローズ2着(10番人気)4角4番手から同5位。

 キレッキレの脚で差し込んだというよりも、位置を取って直線もしぶとく走りきったという印象だ。前記の馬はいずれもオークスまでに2勝以上を挙げ、前走はオープン以上のレースで掲示板を確保。スタニングローズ以外は芝1800メートル以上でデビューし、初勝利は秋以降だった。

 〈1〉2勝以上〈2〉前走オープン以上で掲示板確保〈3〉芝1800メートル以上でデビュー〈4〉4角7番手以内でのレース実績で絞り込むと、今回はパラディレーヌ、レーゼドラマ、サタデーサンライズ、サヴォンリンナ辺りが該当する。

 注目したいのはレーゼドラマだ。デビュー戦は11月の京都・芝2000メートルで6着。2戦目となった1月の中京・芝2000メートルで未勝利勝ち。勝ち時計2分1秒6は前日の2勝クラスより0秒1速い。レースは外枠から2番手につけ上がり3ハロン最速(次位に0秒7差)で、2着に5馬身差の圧勝だった。

 3走目のゆりかもめ賞は5ハロン比較で4秒3も後半が速い超スローな流れ。瞬発力の差で6着に敗れたが、東京・芝2400メートルというオークスと同じ舞台で最後まで脚を使っていた。前走フラワーCは3角から早めに動いて後続に2馬身半差の完勝。ゲートが速いわけではないが、前々で安定してレースを運べている。

 23年オークスで惜しくも4着だった10番人気のラヴェルで、積極的なレース運びを見せた坂井瑠星騎手と手も合いそう。単勝10倍以上となるかは微妙なところだが、桜花賞組の上位3頭の一角崩しを期待したい。(編集委員・小松 雄大)

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