◆卓球 ◇世界選手権個人戦 第7日(23日、カタール・ドーハ=ルサイル・アリーナ)
【ドーハ(カタール)23日=宮下京香】男子シングルス準々決勝で、初の8強入りした戸上隼輔(井村屋グループ)が、パリ五輪銀メダルのトルルス・モーレゴード(スウェーデン)に2―4(16―14、11―3、7―11、8―11、10―12、9―11)で敗れた。1979年大会金の小野誠治以来、日本勢46年ぶりの表彰台に一歩及ばず、敗退が決まった。
戸上は「負けたので悔いが残るけど、自分の実力を出すことはできたと思います。途中で心が折れそうになった時が何度もあったけど、(ベンチの)上田(仁)コーチが『大丈夫』『あと1球』などと声をかけてくれて、最後まで頑張ることができました」と言葉を振り絞った。
3度目出場の世界ランク30位・戸上は、3回戦で同4位の張本智和(トヨタ自動車)との日本人対決を4―1で制すると、4回戦は同10位のダルコ・ヨルギッチ(スロベニア)をフルゲームの激闘の末に撃破。自身初の準々決勝のメダル決定戦に進んでいた。
第1ゲーム(G)から磨いてきたサーブからの展開でリズムをつくり、緩急を効かせたラリーで上回った。16―14で取り切ると先に2Gを連取したが、第3Gはサーブミスもあり、相手に取られた。そこからパリ五輪銀メダリストが猛威をふるい、第4Gの8―7からタイムアウトを取ったが、良くない流れを断ち切れず、4Gを連取されて逆転負け。目標のメダルに一歩届かなかった。それでも快進撃を続けてきた23歳は「世界と戦える。まだまだ強くなれる」と手応えもにじんでいた。
男子シングルスではメダルに一歩届かなかったが、「世界ランク10位以内に入る」と新たな目標も立てた。まずは今大会で篠塚大登(愛知工大)と組む男子ダブルスでは、準決勝の相手が負傷棄権し、25日の決勝に進出。
◆戸上 隼輔(とがみ・しゅんすけ)2001年8月24日、津市生まれ。23歳。3歳で卓球を始め、山口・野田学園中・高、明大を卒業。21年アジア選手権で混合、男子ダブルス2冠。世界選手権は21年に男子ダブルス銅。22年に男子団体銅。全日本選手権は22年、23年男子単連覇。22年男子ダブルスV。パリ五輪代表。右シェーク攻撃型。プロレスの棚橋弘至のファン。