◆サッカー◇静岡県高校総体 ▽3回戦 浜松南2-0富士市立(24日・愛鷹多目的競技場)

 3回戦が行われた。浜松南が、プリンスリーグ東海で戦う“格上”の富士市立に2―1の逆転勝利。

2011年以来、14年ぶりに8強進出を果たした。FW村瀬弥空斗(3年)が後半24分に同点ゴールを決めると、同35分にMF太田喜(3年)が勝ち越しゴールを決めた。準々決勝は31日に行われる。

 同点で迎えた後半35分、浜松南のFW太田がドリブルで抜け出す。ペナルティーエリア内で相手GKと1対1になると、冷静に狙い所を定めて左足で流し込んだ。決勝ゴール後、ベンチ近くに駆け寄りあおむけに倒れ込むと、仲間が次から次へと上から覆い被さった。“手荒い”祝福に「人生で一番、気持ちが上がった」と喜びで興奮さめやらなかった。

 県西部1部で戦う浜松南に対し、カテゴリーでいえば4つ上に当たるプリンスリーグ東海に参加する富士市立を撃破。頼母木勇太監督は「しっかり守備から入って、だけど引かないよというのを選手に伝えていた」と自チームのスタイルであるカウンター攻撃がさえ、試合後は感無量の様子だった。

 進学校のため、太田は総体を機に引退を決めており、「後悔ないように練習から頑張っていた。その結果を大事な試合で出せたのはめっちゃうれしい」。同点ゴールを決めたもう一人の勝利の立役者・村瀬にとっても高校最後の大会となる。

「点を取れたのは、気持ち良かった」と笑顔。指揮官が「足が速いだけでなくボールコントロールもできてタレント性が高い」と評価する3年生コンビが試合を決めた。

 太田は試合前、自分の幼なじみで富士市立と同リーグの磐田U―18高沢海志(3年)から“攻略法”を授かった。「『びびらなければ必ず勝てる』と言われ、チームに共有しました。絶対勝ちたいという気持ちがあれば、俺らがやってきたことは正しいから絶対勝てると言いました」。士気が高まり、気持ちでも勝利を呼び込んだ。

 14年ぶりに進出した準々決勝で対するのは浜松開誠館。再びプリンスリーグに所属する格上との戦いになる。「同じ浜松勢として全力で楽しみたい。たくさんの人たちに応援されて、感謝しかないので、その思いに応えられるようなプレーをしていきたい」と太田。もう一度、大番狂わせを演じる準備はできている。

(伊藤 明日香)

 〇…磐田東は清水桜が丘に0―0からのPK戦(4-3)の末、勝利した。

PK戦は3―3で迎えた5人目のMF加藤侍大(3年)が、ゴール右隅に冷静に決めて決着。「うれしい」と笑顔を見せた。18日の静岡城北戦(6〇1)は2シャドーの一角として2得点も、この日は相手のマンツーマン守備に苦しみ、ビルドアップの面でも課題が残った。「内容が良くなかったので、修正していきたい」と気を引き締めた。

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