◆明治安田J1リーグ▽第18節 横浜FM3―1鹿島(25日・日産スタジアム)

 横浜FMが、7連勝中だった首位・鹿島を3―1で下し、70日ぶり勝利でクラブワーストだった連敗を7、未勝利を11で止めた。

 前半4分にゴール前のこぼれ球をDF永戸が利き足とは逆の右足で豪快なシュートを突き刺してリーグ6戦ぶりに先制点を決めると、同13分には左サイドからボールを展開し、中央のMF山根からのパスを受けた右サイドのFWヤンマテウスが左足で冷静にゴール左へ流し込んで追加点。

連敗脱出へ、立ち上がりでリーグ6戦ぶり先制点&複数得点をマーク。さらに同27分にはFWアンデルソンロペスの突破から、最後はゴール中央からFWヤンマテウスが鮮やかな左足シュートをゴール左上へ流し込んで、今季リーグ最多タイの3点目でリードを広げた。

 前半36分に鹿島のFWレオセアラにゴールを奪われ、後半は立ち上がりから鹿島に押し込まれる展開が続き、何度もセットプレーからゴールを狙われたが、集中力高く守り、決定機は作らせず。このままリードを守り抜き、3月16日のG大阪戦(2〇0)以来、70日ぶり勝利となる今季2勝目を挙げた。

 主将のMF喜田は「もがいて、もがいて、それでもみんなで苦しい中で歯を食いしばって進んできた。重みや責任も間違いなくありましたし、本当に選手、スタッフ、クラブに関わる全ての人、何よりもファン・サポーターの方たちも一緒に苦しみながらも一緒になって戦い続けてくれたので、本当に彼ら、彼女らにささげたい1勝です。少しでも喜びだとか、うれしさを味わえるのであれば味わってもらって。チームはここで終わりではないですし、次勝つための準備をしたい」と振り返った。

 ともにJ創設時の10クラブ「オリジナル10」のメンバーでJ2降格経験がないという名門対決。首位と最下位という構図で迎えたこの舞台がはい上がるための一歩になった。「究極の状況で選手やスタッフが何を思うか。こういう状況で、自分たちでいっぱいいっぱいになっちゃうかもしれないけど、一つ試合前に共有したのは、戦っている、苦しんでいるのは自分たちだけじゃないと。

自分たちの目に見えないところでも、このクラブのために戦い続けている人はいるし、それは目に見えないから分かりづらいかもしれないけど、ファン・サポーターはこの状況でも支えて、後押ししてくれる。目に見えない所でもこのクラブを思って支えてくれる人がいる。その人たちのためにも俺たちが変えないといけないと強く思っていた。たぶんそういう見られ方もしていたと思う。対戦カード、タイミング、圧倒的な力を示して首位にいる素晴らしいチームなので、それも試されているだろうなと。このチームは本物なのかというのを、全ての要素で感じられたので。ここをきっかけにしたいと強く思っていたので。やっぱりそういうものはチームのメンタリティーに影響してくると思うので。それをしっかりと共有して試合に入ったので、みんなの気持ちがピッチに出ていたと思う」。連敗中もチームは一つの勝利に全身全霊をかけて戦ってきたが、この1勝が浮上へのきっかけとなるはず。横浜FMがここから巻き返す。

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