◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 わずか2日間でも、成長に飢えた若い選手にとっては十分な時間だった。日本サッカー協会とJリーグが初めてタッグを組み、4月に関東、5月に関西でU―22(22歳以下)Jリーグ選抜の活動が行われた。

20歳前後の「ポストユース」と呼ばれる世代で、所属チームで出場機会の少ない選手が集結。1泊2日で練習と試合、講義なども行われた。

 「選抜」の名は付くものの、チームで出番をつかんでいたら招集されない。高卒1年目で開幕戦に出場しながら直近で出場機会のなかったG大阪・名和田我空(がく、18)のように、プロの壁に当たるのもこの世代。初めて45分以上プレーした、という選手もいた。

 学生選抜との試合では、試合勘に欠けたミスも散見され、日頃からリーグ戦を戦う大学生の方がプレー強度で勝る場面も多かった。それでも、日本代表・森保一監督や多くの関係者が視察に訪れ、緊張感があった。

 講義では小野伸二氏、日本代表・前田遼一コーチ、G大阪・遠藤保仁コーチ、広島・青山敏弘コーチらレジェンドが、自身の経験などを選手に伝える時間も設けられた。講義後に「ちょっといいですか?」と個別で質問する姿もあったという。

 日本サッカー協会の山本昌邦ナショナルチームダイレクターは「自分が変わろうとする意欲につながっている」と手応え。各クラブからの回答も全部が「行かせてよかった」というのもうなずける。何かのきっかけで急激に成長する、この世代の今後に期待したい。

(サッカー担当・後藤 亮太)

 ◆後藤 亮太(ごとう・りょうた) 2012年入社。23年からサッカー担当。現在は横浜M、東京Vを取材。

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