東京・墨田区が28日、衣料品や生活雑貨、おもちゃまでリユース及びリサイクル推進する協定を、ブックオフコーポレーションなど4者連携で締結した。知的障害を持つ人の仕事や生活などを支援する社会福祉法人の民間団体も組み入れた形で、東京都の自治体では初めて、全国でも先駆けた取り組み。

協定締結式で山本亨区長は「循環型社会の形成への道筋にもなる」と期待感を示した。

 4者連携協定を締結したのは、墨田区とブックオフ、繊維製品の回収・再生の循環プラットフォームを運営するBPLabに、墨田区と共同で区内のリサイクルを推進してきた社会福祉法人墨田さんさん会。同施設など区内4か所に雑貨・衣料品の循環型回収ボックス「R-LOOP」を設置し、回収業務をブックオフが墨田さんさん会に委託することで障害のある人の雇用を創出、就労を支援する。

 「R-LOOP」は2024年11月にブックオフとBPLabが共同運営でスタート。リサイクルショップへの持ち込みやフリーマーケットなどへの出品が面倒で不要となり、廃棄される雑貨や衣料品、靴やバックだけでなく、おもちゃやぬいぐるみ、スポーツ用品まで回収可能なボックスで、今年4月末までで回収量15トン、設置拠点も200か所を突破。昨年11月にブックオフの本社がある神奈川・相模原市が自治体として初めて設置したが、東京都の自治体では墨田区が初めて。全国でも先駆けた取り組みでの連携協定締結で、5月30日の「ごみゼロの日」から回収運用をスタートさせる。

 今回の協定締結で「資源の廃棄を最小限にしつつ、付加価値を高めることを目指す社会経済システム『サーキュラーエコノミー』への移行に向けた非常に大きな一歩になる」と山本区長。「墨田区としても区民、事業者との協働によって『すみだゼロカーボンシティ2050』の実現に向けた歩みを着実に進めていきたい」と言葉に力を込めた。

 墨田区と連携するブックオフコーポレーションの井上徹執行役員は「まずは4拠点から。ゆくゆくは区内のあらゆるところに設置いただいて、区民様の必要なインフラになれるよう頑張っていきたい」と説明。リユース及びリサイクルしたものを計量し、定期的に報告、証明書も発行することで4者間の連携を深める。

流通過程も最後まで追跡可能とするトレーサビリティの徹底についても言及。4者強力タッグでリサイクルを推進していく。

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