◆プロボクシング ▽IBF世界スーパーフェザー級(58・9キロ以下)王座決定戦12回戦 〇エドアルド・ヌニェス (判定) 力石政法●(28日・横浜BUNTAI)

 IBF世界スーパーフェザー級王座決定戦は、同級3位・力石政法(大橋)が同級1位エドアルド・ヌニェス(メキシコ)に0―3の判定で敗れ、世界初挑戦での王座獲得はならなかった。

 ジャッジ3人は全員ヌニェスを支持。

力石の採点は113―115、112―116、111―117だった。兄のIBF世界フライ級(50・8キロ以下)王者・矢吹正道(LUSH緑)とともに兄弟同時世界王者は持ち越しとなった。戦績はヌニェスが29勝(28KO)1敗、力石が16勝(11KO)2敗。顔を赤く腫らせながら会見場に現れた力石は、上下の打ち分けなど多彩なパンチを繰り出してきた新王者に「リスペクトを感じました。世界の壁は高かったです」と敗戦を認めた。

 力石は三重・鈴鹿市生まれ。2017年7月にプロデビューし、22年5月に東洋太平洋スーパーフェザー級王座を獲得。23年1月には、WBOアジアパシフィック同級王座を奪取した。24年7月、マッチメイクや練習環境面を考えた末、LUSH緑ジムから大橋ジムに移籍した。今年3月、兄の矢吹は当時IBF世界ライトフライ級王座を保持したまま、IBF世界フライ級王座を奪取。日本人史上初の2階級同時制覇を達成した。漫画「あしたのジョー」のキャラクターから、兄は主人公の矢吹丈、弟はライバルの力石徹にあやかってリングネームをつけた。

漫画ではともに世界王者にはなれなかったが、すでに兄は世界ベルトを手にしており、弟も頂点に立って、名作を超える快挙を目指していたが、届かなかった。

 今後について問われた力石は「今のコンディションでやれることはやったので、今後について(の言及)は控えたいと思います。移籍して日本で世界戦を組んでもらい、最高の環境でやらせてもらいましたが、泥を塗ってしまいました。また世界を目指すとか、頑張ろうとか、今は何とも言えません」と語るにとどめた。

 ◆力石 政法(りきいし・まさのり)本名・佐藤政法。1994年6月10日、三重・鈴鹿市生まれ。30歳。幼少の頃からボクシングを始め、アマチュア25勝(15KO・RSC)5敗の戦績から、2017年7月にプロデビュー。22年5月に東洋太平洋スーパーフェザー級王座、23年1月、WBOアジアパシフィック同級王座を獲得した。24年3月、イタリア・ローマで12回TKO勝利し、WBC同級シルバー王座(日本未公認)も手にした。同年7月にLUSH緑ジムから大橋ジムに移籍。身長177センチの左ボクサーファイター。

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