フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)は28日、取締役候補を株主提案した大株主の米投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」が協議に応じていないとしたことに対して「事実ではない」と公式サイト上で発表した。
同社は「当社と株主様との協議状況について」と題したリリースで、2025年1月以降、延べ66社の機関投資家・株主と面談を実施してきたと明かした。
同社によると、ダルトンとは株主提案を受領した後だけでも4月に42回、5月に22回の計64回のメール、電話、オンライン及び対面による対話を実施。提案にあった12人の取締役候補者のうち、拒否された2人を除く10人と個別面談も行ったという。
フジHDは今月16日の取締役会後に4人の新取締役候補を発表。その中にはダルトンが提案した12人は一人も含まれず、「遺憾で、真摯(しんし)に検討したとは思えない」とする声明を出していた。また、ダルトンはフジHDとの協議について「極めてミスリーディングで、候補者については協議は一切なかった」と主張していた。
またこの日、フジテレビは再生・改革に向けた取組みの一環として、外部法律事務所が窓口を務める新たな社外相談窓口を設置したことを発表。ハラスメントを含む人権侵害行為をはじめとするコンプライアンスに関する不適切行為等について、社内外のステークホルダーからの相談の受付を開始した。