歌手・松崎しげるが29日、東京・千代田区のコットンクラブで、ソロデビュー55周年記念ライブを行った。

 マイクを握ると、美声が会場を支配した。

5日に出演予定だった「東京国際音楽祭2025」を体調不良のため欠席していたが、すでに医師からのGOサインも出ていた。白い歯を見せながら「体調は万全だよ。自分の看板は元気印。ステージでは元気な姿しか見せないから」と宣言した通り、1回の公演で11曲を熱唱。約200人に完全復活を印象づけた。

 今回のライブは55周年の記念ライブでもある。松崎は「振り返るとあっという間の55年だった。デビューした時を今も思い出す。昨日が今日に変わった感じ。猪突猛進な人生だった。売れない時代もあったけど、西田敏行と出会い、毎日が楽しかった」と懐かしんだ。

 ライブでは昨年10月17日に虚血性心疾患で死去した俳優の西田敏行さん(享年76)の代表曲「もしもピアノが弾けたなら」や、2人でセッションした「夢に隠れましょ」も披露。

「もしかすると涙がこみ上げて歌えないかもしれない。でもそれも歌だから」と覚悟を示した。「もしもピアノが弾けたなら」では晩年の西田さんが愛用した帽子を身につけて歌唱し、途中で涙して歌詞に詰まる場面もあったが歌い上げ、客席の涙を誘いながら歌い上げた。

 松崎は帽子を胸に抱きながら「この前の体調不良は西田からのシグナルだったのかな。よく西田から『お前のどこが元気印なんだ!』って言われてたなぁ。今年で西田さんと同い年となるけど、55周年も含めてまだまだ通過地点。60周年もステージに立ってるよ。死ぬのはステージの上だ!」と生涯現役を誓った。

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