プロボクシングのWBO世界バンタム級王者・武居由樹(28)=大橋=が、127秒TKOで元ムエタイ王者ユッタポン・トンデイ(31)=タイ=を下し、2度目の防衛に成功して一夜明けた29日、横浜市内の所属ジムで会見。他団体の日本人王者との統一戦に前向きな姿勢を見せた。
顔には傷一つなかった。武居は「試合映像はここ2試合(ともに判定勝利)は、1回も見ないぐらいだったが、今回は10回は見返した」と話した。前夜はアドレナリンが出て、午前4時まで寝られなかったという。
防衛戦後のリング上では「もう1本ぐらいベルトが欲しい」と統一戦に意欲を示した。9月に内定している指名試合をクリアすれば、将来の対戦を誓い合った那須川天心(26)=帝拳=、統一戦を熱望するWBA休養王者・堤聖也(29)=角海老宝石=らとの対戦が選択肢となる。武居は「僕は何でもいいです」と受けて立つ構えを見せた。
会見の終盤、練習の準備をしていた尚弥が報道陣の後ろから顔をのぞかせ「質問していいですか? 次は誰と戦いたいですか?」―。いきなり強烈な右ストレートを食らった武居は「て、て、天心? え、合ってますか?」としどろもどろに。尚弥は「ちょっと違います」とダメ出しした。しかし、会見に同席していた大橋秀行会長(60)から「答えは誰?」と確認されたモンスターは「すみません、そこまで考えてなかったです」と小走りで逃走。主役の座を奪われた武居は「押忍、押忍」と恐縮しきりだった。