◆女子プロゴルフツアー リゾートトラストレディス 第1日(29日、徳島・グランディ鳴門GC36=6585ヤード、パー72)

 新人の中村心(こころ、19)=ヤマエグループHD=が1イーグル、5バーディー、2ボギーの5アンダー67で回り、トップと1打差の3位につけた。4戦連続予選落ちから復調。

荒木優奈(19)、入谷響(19)、都玲華(21)らが顔をそろえる今季ルーキーの優勝一番乗りへ、自己最高のスタートを切った。神谷そら(22)=郵船ロジスティクス=と李暁松(イ・ヒョソン、韓国)が66をマークし、首位発進を決めた。

 今季3度目のイーグルで、中村の心に火がともった。5番パー5。残り232ヤードの第2打を3ウッドでピン右6メートルに運び、ねじ込んだ。最終18番は第2打をピン奥1メートル弱に絡め、気迫のバーディー締め。「久しぶりに良いスタートが切れてうれしい」。4戦連続予選落ちから復調し、自己最高のスタートを切った。

 4月の富士フイルム・スタジオアリス女子オープンの悔しさが、今も胸にある。18番で決めれば優勝だったパーパットがカップに蹴られ、プレーオフで敗れて2位だった。「優勝が目前にあっただけに、優勝したいという気持ちは強くなった」。海外メジャーの全米女子オープンと同週で、有力選手が不在の今大会は混戦模様。

チャンスをつかみたい。

 慣れない連戦にも必死に食らいついている。3月の開幕時の体重は昨夏から9キロ増の61キロ、飛距離は10ヤード増の約250ヤードにアップしたが、既に3キロ減。「飛距離が落ちるのはもったいないので、なるべく食べてキープできるように頑張りたい」。ラウンド中はゼリー、チョコレート、バナナを懸命に胃袋に流し込む。前週は下部ツアーでまさかの体験もした。最終ラウンドの24日はクマがコース内に出没して中止。「こんなことあるんだ」と目を丸くした。

 逸材ぞろいの同期が励みになっている。「皆強くて、ルーキーイヤーから優勝争いをしているので、刺激もたくさんもらっている。一番に優勝したいという思いはある」。ツアーの英語表記は「KOKORO」ではなく「COCORO」。

「KOはノックアウトなのでCO」とこだわる。新人一番乗りの初Vへ、不屈の心が突き進む。(高木 恵)

 ◆中村 心(なかむら・こころ)2005年10月25日、山口県出身。19歳。姉の影響で5歳からゴルフを始める。ECC学園高3年時の23年に日本ジュニア選手権を制覇。24年プロテストは2度目の挑戦で合格。今季開幕時のQTランキングは74位。得意クラブはドライバー、ショートアイアン。161センチ。家族は両親と姉。

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