いよいよ競走馬の頂点を決める舞台となった。さまざまな考察が出ているが、少しでも違った角度からデータを提供してみたい。
昨年のダノンデサイル、19年ロジャーバローズが勝利。15年から18年までは4年連続で2着に入った。単勝10倍以上で6番人気以下の馬で3着以内に入った馬は4頭。
▽19年1着ロジャーバローズ(7800万円)
▽21年3着ステラヴェローチェ(6000万円)
▽22年3着アスクビクターモア(1億7000万円)
▽24年1着ダノンデサイル(1億3500万円)
いずれも税別で落札額は6000万円以上だった。
今年の出走馬でセレクトセール出身馬はエリキング(23年1歳、2億1000万円)の1頭のみ。骨折明けの皐月賞は11着に終わったが、一度使って状態はアップ。そこまで無敗だった実力馬だけに、十分巻き返しの資格ありとみる。
また、今年はノーザンファームミックスセール落札馬が初参戦してきた。22年から当歳馬の販売が始まった、言わば“1期生”からリラエンブレム、ショウヘイ、エムズの3頭が出走。落札された38頭のうち3頭が駒を進めてきたのは、素晴らしいと言うほかない。
当欄の狙いは、やはり国内セール落札馬からとなるが、狙いたいのは北海道セレクションセールで23年に3900万円で落札されたジョバンニだ。近10年で単勝10倍以上で3着以内に入った馬は12頭。
・前走皐月賞以外は3着以内0秒3差以内。
・前走皐月賞組は競走除外のダノンデサイルを除き0秒4差以内か3着以内か4番人気以内。
・10頭が12番ゲート以内。
・11頭が4角9番手以内。6頭が4角5番手以内。
ジョバンニは前走の皐月賞で4角10番手となっているが、向こう正面でごちゃつきポジションを悪くした。それまでは6番手で進めており、好位は確保できるとみる。ここまで6戦。クロワデュノール、エリキングなどと好勝負してG1でも2着。世代上位の力があるのは間違いない。
今週の公式会見でも松山騎手、杉山晴調教師とも状態に問題ないとしたうえで距離について「皐月賞を踏まえて問題ない」(松山騎手)「2000メートルよりパフォーマンスを上げる可能性がむしろあるんじゃないかな」(杉山晴調教師)と語っていた。
2000年以降で見ると、北海道セレクションセール出身馬は09年アントニオバローズの3着が最高成績。近10年の日本ダービーは単勝平均配当は1890円。荒れることで有名なヴィクトリアマイルに次ぐ高額配当となっている。1着に懸ける思いが他のレースより大きいのだろう。すべてのホースマンが夢見る舞台。新たな歴史となるレースを期待したい。(編集委員・小松 雄大)