◆プロボクシング バンタム級10回戦 那須川天心―ビクトル・サンティリャン(6月8日、東京・有明コロシアム)

 WBCバンタム級1位、WBA&WBO2位、IBF4位の那須川天心(26)=帝拳=が30日、都内の所属ジムで、WBA6位ビクトル・サンティリャン(29)=ドミニカ=との世界前哨戦へ向けた練習を公開した。

 元IBO、元WBO北米スーパーバンタム級王者のエリック・ロブレス・アヤラ(25)=メキシコ=を相手に、2ラウンドのスパーリングを披露。

5階級上のスーパーライト級(63・5キロ以下)に匹敵する体重64キロの相手に、1回にはプレスをかけてワンツーから返しの右フックをヒット。2回には、左オーバーハンドのカウンター、バックステップしながらの右フックなど、多彩な攻撃を見せた。

 「今回は打ち合いの距離をさらに突き詰めてきた。ただのチャンピオンというのを目指してるわけじゃない。普通のチャンピオンなら、一点突破型でアウトボックスするだけで何となくはいけるとは思うが、やっぱり全てできないと意味がない。全ての距離をしっかり身につけって、打ち合う距離など前回の試合でできなかったことを学んできた」

 接近戦からアウトボクシングまで、すべての距離での打ち合いを制する理想像を描いた。

 「だからといって、最初から打ち合うわけじゃない。何でもできるぞっていうカードを持っておくと安心する。ボクシングだけじゃなく普通に生きてても、何かこういうのを経験したから、次は大丈夫だよねって思えるというのが大切だと思っている。そこをしっかりやって来た」

 前哨戦で対戦するサンティリャンは身長167センチの左ボクサーファイター。23年6月のWBA世界バンタム級挑戦者決定戦で石田匠(井岡)に1―2判定で敗れている。

 天心にとってボクシングでは初のサウスポーとの対戦。

バンタム級の現在の4団体の日本人世界王者が、スイッチヒッターのWBA休養王者・堤聖也(29)=角海老宝石=を含めれば4人全員がサウスポーということも、視野に入っている。

 「サンティリャン選手のために練習してきたというよりは自分をしっかり高めることをやってきた。どういう風に試合しようっていうのは当日自分の任せるしかないですけど、必殺技みたいな、いろんなパンチ、距離、そういうのを組み合わせた練習はたくさんしてきた。生半可な気持ちで勝てる相手でもない、本当に強い相手だが、心の準備、体、全てを整えてきた自負はある」

 この試合をクリアすれば、11月にも世界初挑戦に挑むプランだ。

 「周りの人がどう思うか。僕の試合を見て、まだなんじゃないかって思う人もいれば、もういけるじゃんて思う人もいるだろうし、試合をして、いろんな声を聞きたいなとは思います」

 戦績は、天心が6戦全勝(2KO)、サンティリャンが15戦14勝(5KO)1敗。

 試合はPRIME VIDEOで独占ライブ配信される。

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