◆プロボクシング バンタム級10回戦 那須川天心―ビクトル・サンティリャン(6月8日、東京・有明コロシアム)

 WBCバンタム級1位、WBA&WBO2位、IBF4位の那須川天心(26)=帝拳=が30日、都内の所属ジムで、WBA6位ビクトル・サンティリャン(29)=ドミニカ=との世界前哨戦へ向けた練習を公開した。

 元IBO、元WBO北米スーパーバンタム級王者のエリック・ロブレス・アヤラ(25)=メキシコ=との2ラウンドのスパーリングを披露。

続けて元世界2階級制覇王者の粟生隆寛トレーナー(41)を相手にミット打ちを4ラウンド行った後、身長188センチのカルロス・リナレス・トレーナーのボディープロテクターに3分間パンチを打ち込み続けた。

 28日には、将来の対戦を誓い合った元K―1王者のWBO世界バンタム級王者・武居由樹(28)=大橋=が、元ムエタイ王者のユッタポン・トンデイ(タイ)から3度のダウンを奪って127秒TKO勝利で防衛に成功した。

 自身の試合を控える天心だが、「実際のところ、武居選手の試合は…」と言ったところで思わせぶりに一呼吸置いて「見ました」。「けがからの復帰戦っていうのもあり、相手的にすごい評価が上がる選手かと言ったらそうではなかったとは思うんですけど、しっかりバチッと決めてくれたり、チャンピオンで居続けてくれているっていうのはすごいありがたいこと。強くなってるなとすごい思います」と評価した。

 武井は試合後、リング上では天心の名前を挙げず、その後の会見でも「彼はまだチャンピオンじゃないので、別にいいかな」とコメント。しかし、29日の試合一夜明け会見では、天心の名前を挙げて対戦を望んだ。

 「それに関しても実際に…見ました。言ったり言わなかったりみたいな、すごい掛け引きして来てるなと。リング以外でもジャブを突かれてるなっていうのはすごい感じる。僕は急いでいるわけじゃない。1個1個着実に、次が前哨戦ですから、そこは長い目で見てもらいたい。

しっかり僕が勝っていけば、必ずやる相手だと思う。そこに関しては、時が来たら必ずやるだろうと。そう思ってるだけですかね」

 武居は9月に予定される次戦で、WBO同級1位クリスチャン・メディナ(25)=メキシコ=との指名試合が内定している。メディナは天心のスパーリングパートナーも務めたことがあり、天心にとって「戦友」。仮に武居がメディナに敗れれば、天心との対戦も暗礁に乗り上げる可能性があるが、天心はきっぱり否定した。

 「でもね、これ消えないと思いますよ。どっちが勝とうが負けようが、それでやらないっていうのは、やっぱりファンというか、お客さんが許してくれないと思いますから。民衆を味方につけた方が強い。そういう人たちの声を聞けるか聞けないかが、今後のボクシングの発展にもつながっていくと思いますので、どういう形であれ、やると思います」

 戦績は、天心が6戦全勝(2KO)、サンティリャンが15戦14勝(5KO)1敗。

 試合はPRIME VIDEOで独占ライブ配信される。

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