◆第8回葵S・G3(5月31日、京都競馬場・芝1200メートル、良)

 第8回葵S・G3は31日、京都競馬場で行われ、ブービー15番人気のアブキールベイが重賞初制覇を飾った。鞍上の岩田望来騎手=栗東・フリー=は、25歳のバースデーVだった。

 堂々たる“今日の主役”だ。岩田望は直線で、アブキールベイを馬場の真ん中にエスコート。残り1ハロンからさらにギアを上げ、豪快に突き抜けた。逃げたクラスペディアを3/4馬身差で差し切り、3連単189万3020円の大波乱を演出。「誕生日に勝ててうれしい」と破顔した。

 過去3度の騎乗で1勝2着1回。低評価でも「好印象を持って臨める馬。自信を持って乗った」と不安はなく、ハイペースのなか冷静に脚をためる好騎乗だった。坂口調教師は第1回をゴールドクイーンで制した父・正則元調教師との親子制覇。「うまく流れに乗れて、最後もしっかり伸びてくれた」と愛馬をたたえた。

 岩田望は今日の日本ダービーでトッピボーンに騎乗する。「3歳のNO1を決めるレースなので、悔いの残らないようにしたい」。

波に乗る若手ホープが、再び主役の座を狙う。(水納 愛美)

 ◆アブキールベイ 父ファインニードル、母アゴベイ(父ハーツクライ)。栗東・坂口智康厩舎所属の牝3歳。北海道日高町・ダーレー・ジャパン・ファーム有限会社の生産。通算7戦3勝。総獲得賞金は6757万5000円。重賞初勝利。馬主はゴドルフィン。

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