◆明治安田J1リーグ▽第19節 G大阪0―1鹿島(5月31日・パナスタ)
鹿島は前半戦最後の一戦を勝利で飾り、2017年シーズン以来、8季ぶりとなる首位ターンを決めた。
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執念の勝ち点3を積み上げた鹿島だったが、試合後の鬼木達監督に笑顔は一切見られなかった。
後半10分、開幕から全試合先発を続けていたDF安西幸輝が、左膝を痛め、担架でピッチを後にした。詳細は精密検査の結果次第となるが、現場での所見は芳しいものではなかったという。
相手選手との激しい接触によるものではなかったが、鬼木監督は「大きなけがが出てしまっている。そこに至るまでにいろいろなものもある。選手の頑張りが、しっかりとピッチに反映されるようなゲームになってほしい」と声を絞り出した。
安西は負傷後、ピッチ内で起き上がることができず、苦悶の表情を浮かべてうずくまっていた。目の前でその様子を見ていた一部のG大阪の控え選手たちは、身ぶり手ぶりを交えてピッチに中断を求めていた。
しかし、主審は試合の続行を決断。G大阪側がシュートを放ち、オフサイド判定になるまで試合は続けられた。DFキムテヒョンのオフサイド誘導の駆け引き(またはその後のGK早川友基のセーブ)がなければ、プレー続行が不可能になった安西が責任を背負わなければならない展開になっていたかもしれない。
これはほんの一例に過ぎず、序盤から両チームにとって首をかしげたくなるような判定、マネジメントが何度もあった。
直接的な言及こそ避けたものの、指揮官の憤りは選手を思っての感情であり、またこの日の審判団のゲームマネジメント力に向けられたものでもあったと推察される。感情を押し殺した鬼木監督だったが、勝利後とは思えないほどに終始厳しい表情を浮かべていた。