9月の東京世界陸上男子マラソン代表の吉田祐也(GMOインターネットグループ)が1日、横浜市の日体大横浜健志台キャンパス陸上競技場で行われたニッタイダイ・チャレンジ・ゲームズ5000メートル第2組に出場し、13分29秒93で日本人5位の全体10位でゴールした。昨年にマークした13分30秒91の自己ベスト記録を約1秒更新した吉田は「マラソン練習を積んでいる中でトラックで自己ベスト記録が出て、ここまで順調です」と手応えを明かした。

 今後、北海道・函館ハーフマラソン(29日)に出場。夏は長野・菅平高原などで合宿を重ね、9月15日の本番に向かう。「東京世界陸上の目標は、21年東京五輪で6位入賞された大迫傑さんを超えることです」と意欲的に話した。

 青学大出身の吉田は、原晋監督が「青学大史上最も練習した男」と表する努力の選手。2、3年時はチーム11番手の選手で、惜しくも箱根駅伝出場を逃したが、4年目にして初出場となった20年箱根駅伝の4区で区間新記録(当時)で区間賞を獲得した。さらに1か月後の別府大分毎日マラソンで日本学生歴代2位(当時)の2時間8分30秒と好走。大学卒業を機に引退し、大手食品メーカーのブルボンで一般の新入社員として内定を得ていたが、別大マラソンの結果を受け、内定を丁重に辞退。GMOインターネットグループで競技を続行することを決断した。

 その際、吉田は「内定辞退を承諾してくださった株式会社ブルボン様、これから競技を共にしていくGMO様、どちらにも本当に感謝しています。24年パリ五輪、28年ロス五輪のマラソン日本代表を目指します」とコメントした。24年パリ五輪出場は逃したが、有言実行で努力を重ね、昨年12月の福岡国際マラソンで日本歴代3位の2時間5分16秒で優勝。25年東京世界陸上の日本代表に選出された。

 現在も青学大を拠点に活動。吉田を指導する原監督は「吉田は暑さにも強いし、世界と戦える」と期待を込めて話した。

編集部おすすめ