昨年の全国高校男子駅伝で準優勝しながら指導者の交代を決めた学校側に反対し、18人が福岡・大牟田から集団転校した鳥取城北が1日、横浜市の日体大横浜健志台キャンパス陸上競技場で行われた日体大学長距離競技会兼ニッタイダイ・チャレンジ・ゲームズ(CG)男子5000メートルに出場し、自己ベスト記録を連発した。

 大牟田から転校した主将の宗像琢馬(3年)は第13組で大学生に交じり、14分35秒20で3位と健闘した。

元々、鳥取城北の主将を務めていた早田慶哉(3年)とダブルキャプテン」体制でチームを率いている宗像は「鳥取の皆さんのお陰で学校生活や練習環境にも慣れてきました。

二つのチームも一つのチームになってきました。僕は自己ベスト記録を更新できませんでしたが、多くのチームメートが自己ベストを更新しました」と前向きに話した。

 全国高校体育連盟の規定で転校後、6か月(水泳は1年)は同連盟の主催大会に出場できない。そのため、大牟田から転校した2、3年生は夏の全国高校総体、また、その予選に当たる春からの県大会や中国大会は出場できない。この日、実業団選手や大学生に交じり、2番目にレベルが高い組で走り、13分52秒21をマークしたエースの本田桜二郎(3年)らは全国高校総体で戦うことはできないが、秋の県高校駅伝、冬の全国高校駅伝には出場可能。

 昨年の鳥取県高校駅伝は米子松蔭が優勝し、鳥取城北は2位。大牟田からの集団転校した選手は順調に新天地で成長しており、鳥取県、さらには全国の高校駅伝の勢力図が大きく変わることになりそうだ。

 ◆大牟田から鳥取城北へ集団転校の経緯 関係者の話を総合すると、昨年11月の福岡県高校駅伝に優勝し、2年連続45回目の全国高校駅伝出場を決めた後、学校側は25年度から、新しい監督を招へいし、実質的な監督だった赤池健ヘッドコーチ(HC)をサポート役に降格する方針を決定。選手と保護者は反対し、撤回を求めたが、覆ることはなかった。その後、赤池氏は大牟田のHCを辞任し、鳥取城北の監督に転職することを決めた。各選手が保護者と話し合った結果、当時1、2年生(現2、3年生)19人のうち18人が赤池氏の指導を受けることを希望し、鳥取城北への転校を決断した。

赤池氏の指導に期待して大牟田への入学を予定していた新入生の大半も鳥取城北へ進路を変更した。

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