◆明治安田 J1リーグ▽第19節 C大阪4―2清水(1日・ヨドコウ桜スタジアム)

 C大阪は、清水から4点を奪って快勝した。先取点こそ許したが、前半のうちに逆転。

後半は、オーストリア1部ザルツブルクへの移籍準備のため、この日でチームを離脱するMF北野颯太(20)が、2アシストで試合を決定づけた。

 試合前ミーティングで負傷離脱中であるMF田中駿汰(28)主将から、キャプテンマークを託された。自身初となる大役を担って始まった国内最終試合。前半10分には自ら奪ったPKを外し「正直、もうこのまま崩れると思った」と苦笑い。それでも「最低限のパフォーマンスは出せた。満足はしてないですけど、そこはまた新たな自分の成長したところかな」と、引きずることなく持ち味の細かいタッチとターンから中押し点と、駄目押し点を演出した。

 試合後のセレモニーでは時折、タオルで顔を覆いながら約10分間サポーターへあいさつ。「いってきます!」と締めた20歳の背中を、惜別と壮行の思いを込めたチャントが後押しした。最後の場内1周で選んだ曲は「Mr.Children」の「終わりなき旅」。MF香川真司(36)が海外移籍した際と同じ曲にした。北野は「何か一緒にしたいと思って。最初は『やめろ』って言われましたけど」とはにかむ。

欧州での活躍、日本代表での経験。心に桜色の火をともし、憧れの存在を超える旅に出る。(森口 登生)

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