◇J2第18節 仙台1-1札幌(5月31日・キューアンドエースタジアムみやぎ)

 仙台戦は雷雨で約80分の中断がある難しいゲームになったが、勝ち点1という最低限の仕事はしてくれた。もう少しパスで崩せた印象はあったが、ピッチ状態だけでなく、うまくできなかったのは前線の3人が横並びになってしまったから。

1トップ2シャドーなら、もう少し工夫して動けば縦横のギャップをうまくつくれるのに、と感じる。

 どういうイメージでボールを受けるのか、全員が共有できていない。バカヨコは縦にいいボールが入っても、ただダイレクトで返しているだけではイチからのやり直し。スペースがあるならターンしてシュートを打たないと相手DFは下がらないし、ギャップはつくれない。FWはボールが出てこない限りオフサイドにはならない。取られることは気にせず、相手の視野から一度消える動きをしながら、味方がどういう意図でパスを出しているか考えてほしい。

 FW以外も、いいサイドチェンジをした時に1回ボールを止めるから、前に相手が来て後ろに戻さざるを得ない。その繰り返しでは二度手間、三度手間の攻撃になってしまう。終盤に追いつけたのは、全員がゴールに向かう意識になっていたから。安全策ばかり選んでいては、攻撃のスピードが上がるわけはない。

 2週間の中断期間中、ボール回しから意図を持ってやるべき。相手のどっちの足につけるかとか、こう止めてほしいからここに出すとか、ちょっとした要求で変わってくるものだ。

意識を高め意思統一する時間にできれば、浮上へのきっかけは得られる。

(吉原 宏太、1996~99年札幌FW)

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