◇明治安田J1リーグ 第19節 C大阪4-2清水(1日・ヨドコウ)

 清水エスパルスは敵地でC大阪に2―4で敗れ、2試合ぶりの黒星を喫した。前半4分、DF山原怜音(25)が直接FKを決めて先制したが、CKからの2発で逆転されると、後半も2失点。

終了間際にFW郡司璃来(19)がJ1初ゴールを挙げるも反撃が遅すぎた。4失点は今季ワーストで、J1でのアウェー・C大阪戦は99年から19戦勝ちなし。7勝4分け8敗の勝ち点25、9位で前半戦を折り返した。

 またも鬼門にはね返された。J1では98年を最後に勝利から遠ざかるアウェー・C大阪戦。待っていたのは厳しい現実だった。清水・秋葉忠宏監督(49)は「自分たちでゲームを壊した。(今試合後に海外移籍するC大阪の)北野選手のお祝いに来たわけではない」と顔を真っ赤にした。

 清水の時間は約10分で終わった。前半4分、DF山原が「見せたことはなかったけど、小さい頃から長い距離は得意にしていた」と約25メートルの弾丸FKをねじ込んで先制する。同11分にはDF陣の不用意なパスミスをきっかけにPKを献上するもGK沖悠哉が横っ跳びでセーブした。だが、流れを持続できず同13分にCKから被弾すると、5分後にも再びCKから勝ち越された。

後半も立て直せず2失点。指揮官は「何点取らせるんだという守備」と激怒した。

 ほろ苦い古巣戦となったMF乾貴士は「ミスからペースを握られたところは反省」と悔しさをあらわにした。かつての同僚・MF香川との“競演”は終盤の7分ほど。「うまいし、落ち着いているし技術がすごい」と盟友とのマッチアップを振り返った。

 FW陣に故障者が続出する中、前半25分には頼みの北川航也主将が負傷交代。秋葉監督は「(状態は)まだ分からない」としており、エースが長期離脱する事になれば計り知れない痛手となる。次の公式戦は11日、天皇杯2回戦・J3松本戦。リーグは15日にホーム・G大阪戦が待つ。“借金1”で折り返した指揮官は「はっきり言って残留争いするチーム。全員で現実を見て必死に戦いたい」と危機感を募らせた。(武藤 瑞基)

 〇…2年目のFW郡司が最後に一矢報いた。

今季初めてベンチ入りし、後半28分から出場。同44分、右クロスを頭で放り込んだ。「(マークを)しっかり外す動きをして、当てるだけのボールが来た」とJ1初得点に納得の表情を見せた。北川の状態次第では今後も1トップの最有力候補になる。「出番が来たら結果を残したい」。市船橋高の先輩でもある秋葉監督も「点を取るツボを知っている。続けてほしい」と願った。

編集部おすすめ