◆サッカー◇静岡県高校総体 ▽準決勝 浜松開誠館0-0静岡学園※PK4-3(1日・藤枝総合運動公園)

 準決勝が行われ、浜松開誠館が2016年以来9年ぶりのファイナルに進んだ。0―0で迎えたPK戦でGK吉田壮馬(3年)の活躍があり、4―3で静岡学園を破った。

開誠館の初優勝か、藤枝東の7年ぶりVか。決勝は7日にエコパスタジアムで行われる。

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  浜松開誠館が、静岡学園をついに下した。PK戦、4―3で迎えた静岡学園の5人目。「今まで仲間が助けてくれた。日頃の恩を返すのはここだなと思っていた」。GK吉田は相手の動きを見極め、左へ横っ跳び。左手でボールをはじき、決勝進出を決めた。王者撃破に、試合後は仲間と抱擁を交わし喜びを爆発させた。

 静岡学園には一昨年が準決勝、昨年が決勝と過去2年、冬の選手権県大会で苦汁をなめてきた。昨冬に敗れた後は先輩たちの悔しさも胸に、ボール保持を課題に取り組んできた。この日は、強力な攻撃力を誇る相手をシュート3本に抑え込み、守備での成長も見せた。

 最上級生14人のうちMF川合亜門を始めとした5人は、付属中で22年全国中学校大会(全中)で優勝を経験した。タレントがそろい、その上でチーム一丸となって「打倒・静学」を成し遂げた。前日(5月31日)の浜松南戦(2〇0)は、GK吉田を除き“控え組”を先発起用させ、レギュラーが万全の状態でこの日を迎えることができた。「勝ち切ってくれたので、ここでやるしかないなと思っていた」と仲間の奮闘を間近で感じた守護神は、強い覚悟を持って試合に臨み、結果で応えた。

 青嶋文明監督(56)は「静学を止めるのはウチしかいないと思っている。静岡のサッカーが盛り上がるためにもさらなる努力をしていければ」。次の目標は初の県総体優勝。藤枝東との決戦を制し、新時代を切り開く。(伊藤 明日香)

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  大会3連覇を目指していた絶対王者・静岡学園が敗れた。80分間でゴールを奪えず、PK戦では1人が枠を外し、1人が止められた。23年夏の総体から続いていた県制覇は6大会でストップし、イレブンは涙。中盤で開誠館の激しいプレスに遭い、シュート3本に抑え込まれた。

川口修監督(51)は「自分たちのスタイルが表現できなかった。受け入れるしかない」と話した。

 今春、U―17日本高校選抜にも選ばれたMF篠塚怜音主将(3年)は負傷明けのため、後半27分からの出場。PK戦では「決める自信があった」と最初のキッカーとしてきっちり左隅にゴールしたが、チームは無念の敗戦。「プレミアリーグや選手権に向けて修正していく」と前を向いた。

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