◆プロボクシング バンタム級10回戦 那須川天心―ビクトル・サンティリャン(6月8日、東京・有明コロシアム)

 WBC世界バンタム級1位、WBA&WBO2位、IBF4位の那須川天心(26)=帝拳=と対戦するWBA6位ビクトル・サンティリャン(29)=ドミニカ=が2日、羽田空港着の航空機で来日した。

 天心がキックボクサー時代の2018年大みそかにエキシビションマッチで139秒でTKO負け(公式記録は勝敗裁定なし)した元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)と似たビジュアルのサンティリャンは「天心はメイウェザー戦のように悪夢を見ることになる」と予告。

世界前哨戦となる天心に向け「希望は持ち続けてください。ただ、勝つのは私。私の能力からすれば簡単に勝つことができる」と強気に語った。

 天心はサンティリャンとの対戦が決まった際に、「僕、スキンヘッドの選手に1回やられていて。ちょっとスキンヘッド恐怖症なんですけど。そのトラウマもしっかり克服したい」とジョークを口にしていた。サンティリャンはアゴと頭をさすり「ひげと頭はメイウェザーみたいだね」と照れ笑いを浮かべながら、天心に「悪夢」のトラウマを思い出させることを誓った。

 事前情報では、サンティリャンの愛称は「美男子」と伝えられていた。天心も5月29日の公開練習で「ちょっと美男子の座を奪われないように、肌の手入れとか髪の手入れ、(CMに出演している)スカルプDを使っていかないとなっていうのはありますけどね。そこでも負けたくないし」と笑いながら対抗心をのぞかせていた。しかしこの日、愛称について問われたサンティリャンはきょとんとした表情を見せ、愛称が「chico malo(スペイン語で悪童の意味)」だと明かした。

 サンティリャンは身長167センチの左ボクサーファイター。

アマチュアで225戦200勝25敗の戦績を誇り、18年4月にプロデビュー。黒星は、23年6月のWBA世界バンタム級挑戦者決定戦で石田匠(井岡)に1―2判定で敗れた1敗のみ。石田戦は採点が割れる結果となったが、「明確に勝つために100%の練習をしてきた。疑問を出すことなく勝ちたい。天心が有名なこともモチベーションになる。有名な選手と戦えば、みんなが見るので試合(判定)を盗まれることもない」と自信をのぞかせた。また、石田戦で来日した際に「日本が好きになった」と、首に「難来る無いさ(なんくるないさ)」、右腕に「ikigai(生きがい)」のタトゥーを入れたことも明かした。

 戦績は、天心が6戦全勝(2KO)、サンティリャンが15戦14勝(5KO)1敗。

 試合はPRIME VIDEOで独占ライブ配信される。

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