柔道女子の連覇を含む五輪5大会連続メダル獲得の谷(旧姓・田村)亮子さん(49)が、3日に亡くなった長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督(享年89)への思いと感謝をスポーツ報知に寄せた。長嶋さんの笑顔に魅了された“YAWARAちゃん”は、ファンを愛し続けた“ミスター”の姿勢をリスペクト。
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突然の悲報に驚いています。母から連絡を受けた時は言葉も出なくて…。いつも「亮子ちゃん」って温かい声で応援してくださった長嶋さんに、主人と一緒にお会いすることができました。いつもと変わらない、キリリとした顔をされていました。
中3の1990年12月、福岡国際で優勝したことをずっと覚えてくださっていて、試合ごとに激励会や祝勝会を個人的に開いてくださって大きな励みになりました。福岡国際10連覇(99年)には都内の中華店で、赤いバラの花束をプレゼントしてくださり、うれしくて感激しました。
2000年のシドニー五輪前には、直筆のお手紙をいただきました。お会いするたびに、試合のテーマになることを何げない言葉で伝えてくださるのが印象的だったんですが、シドニーの時のお手紙は「中3の福岡国際で初めての国際大会で優勝した経験が非常に大きいと思う」「あの経験は誰もができることではない」「これまでの一つ一つの経験が亮子ちゃんを成長させてくれている。今回は絶対に大輪の花が咲くから」などという内容。過去2回の五輪は銀メダルで、今度こそ金メダルという思いは強かった。国民の皆さんの期待を長嶋さんも、ものすごく感じておられて「その応援が力になるんだ」と。
シドニー五輪で金メダル獲得後、長嶋監督の巨人がセ・リーグで優勝。その後、監督直々のオファーで、ダイエー(現ソフトバンク)との日本シリーズ第2戦で始球式を務めさせていただきました。偶然にも「勝利の女神が来てくれた」というお言葉を、長嶋監督、王貞治監督お二人からいただきました。うれしかったので、すごくよく覚えています。
いつも笑顔で接してくれて、お会いするたびに力をいただきました。一言で表すなら「不滅の笑顔」。誰よりもファンを愛してくれた長嶋さんは、これからもずっと多くの方の心の中に残って愛され、ずっと輝き続ける人だと思います。私にとっての英雄です。
◆谷 亮子(たに・りょうこ)旧姓・田村。