「サッカー界の長嶋茂雄になりたい」「永遠に僕のなかに生き続けるのだろう」三浦知良、特別な存在だったミスターを追悼
９２年１１月、本紙の正月紙面用に対談した長嶋さんと三浦知良。カズの横でボールをリフティングしてみせた 画像（1枚）

　ＪＦＬ・アトレチコ鈴鹿の元日本代表ＦＷ三浦知良（５８）が３日、クラブを通じて長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督（享年８９）への追悼コメントを発表した。Ｊリーグが開幕した１９９３年、カズは巨人軍監督への復帰が決まった長嶋氏とスポーツ報知の紙面上で初対談。

その後、交流もあった日本サッカー界の“キングカズ”と“ミスタープロ野球”長嶋氏。カズは「サッカー界の長嶋茂雄のような存在になりたい」という思いを抱いていたことを明かし、別れを惜しんだ。

　カズにとっても、長嶋さんは特別な存在だった。この日、チームはオフだったが、クラブを通じてコメントを発表。「長嶋さんは野球界だけでなく、すべての人たちにとってのスーパースターでした。あらゆる人たちに愛されていたのだと思います」と、思いをつづった。

　子供の頃の記憶をたどると、憧れがよみがえった。「７歳くらいの頃に目にした引退セレモニーは脳裏に焼き付いています。すごい選手だぞ、と誰かから教わったわけでもない。それでも僕も含めた人々の、生活の一部となっていました」。サッカー少年のカズにとってもその姿はまぶしかった。

　そしてプレーのみならず、ひかれたのがその存在感だ。

「プレーはもとより、日ごろの一つ一つの振る舞い、しぐさににじみ出る長嶋さんの長嶋さんたるゆえん。名言の数々。何をしても華があって、サマになる。面白くて、印象に残る。すべてが絵になる。いるだけで周りが明るくなる。人々が笑顔になれる。夢を見させてくれる」と思いがあふれた。さらに「『サッカー界の長嶋茂雄のような存在になりたい』。これからＪリーグが創設されようという頃、憧れにとどまらない決意にも似た思いで、取材時にそう答えていたのを思い出します」と続けた。

　訃報に触れ「とても悲しく残念ではありますが、長嶋さんが野球人として貫かれたことは、みんなの心に、失われることなく宝物としてずっと残るのではないでしょうか。『長嶋茂雄』は一つの存在として、永遠に僕のなかに、そして人々のなかで生き続けるのだろうと思います」と語ったカズ。

今季は負傷で出遅れたが、１日のＪＦＬ第１０節ＦＣマルヤス岡崎で今季初のベンチ入り。出場はなかったが、次節８日のクリアソン新宿戦（三交鈴鹿）での今季初出場を目指す。走り続けるサッカー界のレジェンドは、ミスタープロ野球に最大級の敬意を示した。（金川　誉）

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