◆2026年北中米W杯アジア最終予選▽第9戦 オーストラリア1―0日本(5日・パース・スタジアム)

 【パース(オーストラリア)5日=岩原正幸】既に8大会連続8度目のW杯出場を決めている日本(FIFAランク15位)は、敵地でオーストラリア(同26位)に0―1で敗れ、今予選初黒星を喫した。森保一監督(56)は1年後のW杯を見据え、A代表デビュー3人を含め最終予選初先発9人のフレッシュなメンバーを起用したが不発に終わり、後半45分に決勝点を許した。

首位通過を決めている日本は勝ち点20で変わらず、日本史上初の最終予選無敗突破を逃した。

 森保ジャパンが最後の最後に沈んだ。後半45分、左サイドを割られると、折り返しを相手DFベヒッチに右足で豪快に決められた。ベンチから一斉に飛び出し、喜びを分かち合うオーストラリアとは対照的に、少ないチャンスをものにされた日本イレブンはぼう然。圧倒的に支配したが、最後までゴールを割れなかった。09年6月のW杯予選(敵地1●2)以来、16年ぶりにオーストラリアに屈した。

 森保監督は「非常に悔しい、残念な結果。経験の部分で今日は足りなかった」と唇をかんだ。今回はテストに比重を置くメンバー構成となった。「より多くの、いい選手の中からW杯に向けて最強のメンバーを選ぶ」と戦力の底上げを見据えた指揮官は、本気でW杯優勝を狙うためには、同じ実力を持った2~3チーム分をつくる必要性を口にしていたが、第一歩となるこの日は不発に終わった。

 最終予選初先発が9人。3月25日のサウジアラビア戦から連続先発は主将マークを巻いたMF鎌田のみで10人を入れ替えた。

MF平河ら3人がAマッチデビューというフレッシュな顔ぶれとなった。日本は前半28分にMF鈴木唯が突破から右足シュート。後半19分、5万7226人の観客からウェーブが起こり、試合が停滞ムードの中、背番号10のMF久保らを投入。パスワークから打開を試みた。同35分に久保が右足シュートで、この日最大の決定機もわずかに右に外れ、こじ開けることはできなかった。試合終了間際に失点し、最終予選初の黒星を喫した。

 森保監督は「負けていいという試合は代表にはない。批判にさらされても、それだけのものを懸けられる選手を起用した。この悔しさを持って、選手たちには成長してもらいたい」と起用に応えられなかった選手を責めることなく、さらなる成長を促した。史上初の最終予選無敗突破とはならなかった。主軸の一人であるMF久保は「もう負けは許されない。ホームでしっかり勝って終われたら」と10日のインドネシア戦に気持ちを切り替えた。

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