J1町田の原靖フットボールダイレクター(FD)は6日、東京・町田市内で行われた公開練習後に取材に応じ、今後の補強方針について説明した。

 前半戦を折り返して、町田は7勝4分8敗で勝ち点25。

昨季は前半戦終了時点で勝ち点39の首位と、今季は勝ち点を10以上減らしており、順位も10位となっている。原FDは「既存の選手には力がある。今の選手たちは十分に戦えるメンバーであると思っている」としつつ、「J1名門は20人目、21人目まである程度の選手が厚くそろっている。うちはもう4~5人がデプスが足りないという印象はけが人が出たときによく思いました」と苦い表情で語った。

 今季はクラブW杯が開催における特例措置で6月1日~10日まで移籍期間が設けられている。町田は昨夏に現役の日本代表であるFW相馬勇紀とDF中山雄太を獲得する大型補強を敢行。今秋から始まるアジア・チャンピオンズリーグエリート(ACLE)に向けての選手層の強化として、始動時には6月での補強も示唆されていた。原FDは29~31歳の選手をターゲットに、欧州などで複数リストアップしていることを明かし、「ドイツもそうですし、いろんなところにそういう選手がいます。現役の代表選手もいる。日本人ではなく海外の選手です」と話した。

 一方で、時期的な難しさもある。FC東京に復帰したDF室屋成、柏から広島に移籍したFW木下康介、浦和に移籍したFW小森飛絢ら、各チームが新加入の発表を出す中、この日の時点で町田の新加入の発表はなし。

その背景に欧州のウィンドーが8月30日まで空いていること、欧州に移籍した日本人選手も来年のW杯を見据えて欧州でプレーしたいという思いがあることを明かし、「現実的には7月になるだろうと。6月までとなると、国内の選手になる」と説明した。

 現在奮闘している選手への敬意も見せた。現時点で上位に食い込めていないが、「既存の選手は力のある選手がいると思っている。ここまで選手がたくさん出入りしてきたが、今の選手たちは十分に戦えるメンバーであると思っている」と原FD。今季はベンチからの出場がメインになっているFW藤尾翔太やFW桑山侃士の名前も挙げながら「人数を増やすために、というのは考えていない。既存の選手のモチベーションが下がらないように」と慎重な姿勢も見せた。

 GK谷晃生ら日本代表だけでなく、FWオセフンやFWミッチェルデュークら、別の国で代表入りしている選手が町田には所属する。取材の終盤には代表クラスが多数控えることにも言及し、「(代表は)今は(アジア最終)予選を戦っていますから、同等もしくは上じゃないと納得しない。来たところで。そこも考えないと悪い」と、改めて話した。

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