◆車いすテニス ▽全仏オープン(6日、フランス・パリ)

 【パリ6日=吉松忠弘】2024年パリ・パラリンピック男子シングルス金メダルで、世界ランキング1位の小田凱人(東海理化)が、2007~10年に4連覇した国枝慎吾以来2人目の3連覇に王手をかけた。同3位のマルティン・デラプエンテ(スペイン)に6-4、6-4で勝ち、2023年からローランギャロスの舞台で16連勝となった。

 センターコートに次ぐ2番目に大きいコートで、小田のパフォーマンスがさく裂した。ストロークだけでなく、ネットプレーにドロップショット。勝利の瞬間は、両手を広げ、観客に勝利を猛アピールだ。「めちゃくちゃうれしい。いいテニスができた」。

 相手のデラプエンテも、小田と同様に、派手な打ち合いが信条で、燃えるタイプだ。乗せれば怖いことは、今年4月のジャパンオープン決勝で、小田が負けかけたことでも分かる。「そのことを少し思っていた」。しかし、この日は、課題だった第2セットの集中力も保ち、ストレートで勝ちきった。

 「師匠」とあおぐ国枝慎吾に続く3連覇に王手だ。「プレッシャーは」と問われると「全くない。負ける気がしない」。

それも、優勝が目的ではないからだ。「フランスに、自分のテニスを見せつけたい、刻み込みたいというのが1番。プラス(結果で)優勝ということ」。小田の名前は、十分にフランスで響き渡った。

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