初代林家三平生誕百年記念興行(11日~20日)が11日、浅草演芸ホールで開幕し、この日のゲストに俳優の毒蝮三太夫が登場した。

 1980年、54歳でこの世を去った初代・三平。

この日昼の部のトリをとった息子の二代目林家三平は「父が生まれて100年たつというのは本当にすごいこと。噺家(はなしか)で生誕祭やるのははじめてのことなんですよ。大先輩方が集まってくださって、父のことをしのんで、思い出を語っていただけるのは、きっと天国の父が一番喜んでいることだと思います」と感慨深げに話し、「今日は来ていただいて『どうもすみません』」と初代・三平の持ちギャグにあやかって感謝。

 出演した林家木久扇は「私が二ツ目になりましたら(初代)三平師匠が、数々テレビ番組を紹介してくださった。振り返って見ると本当にすごいことでした。テレビ各局の人事(キャスティング)を三平師匠がやってらっしゃった。恩人でございます」と振り返った。

 弟子として6年間初代・三平に付いていたという林家ぺーも「今日は本当に感無量。師匠の人徳に改めて感動した」と喜んだ。

 そして、毒蝮は「俺は立川談志にこの世界に引きずり込まれた。役者から芸人になった例は少ない。その背中を押してくれたのは(初代)三平さんだったと思う。

三平さんと談志と仲良かったというのもあると思うけど、そういう人が背中を押してくれたから今日がある。なので今日は少しでものお返しです。今日は芸人としてお邪魔している」と思いを語った。

 毒蝮は「今日俺が高座に上がって違和感なかった?」と気にしている様子だったが、木久扇は「いつも(寄席に)出てほしいね」と言い、三平は「落語協会に入りますか?」と勧誘。高座では多くの笑いを起こしていた。

 9歳で父・初代三平を亡くした二代目・三平は現在54歳。父が亡くなった年齢と同い年となった。「父はジェームズ・ディーンのように私には映っている。かっこいい父でしたよ」と改めて語り、「(54歳なので)これから、父の歴史の続きを生きていくように感じている」としみじみ。

 この日は、春風亭小朝に教えてもらったという親子を描いた演目「浜野矩随(はまののりゆき)」を披露した三平。12日以降は初代がやっていたアコーディオンの伴奏で歌うリズム落語にも挑戦する。毒蝮は「これからは親孝行だ。

親よりも1時間でも1年でも長生きしていかなきゃね」とその背中を押した。(瀬戸 花音)

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