相撲部屋で作られる料理を総称して「ちゃんこ」と呼ぶ。今回は押尾川部屋(師匠・押尾川親方、元関脇・豪風)名物の「塩キムチちゃんこ鍋」を紹介。
塩キムチちゃんこ鍋は、約20人前を作れる大鍋の半分くらいまで水を入れ、鶏ガラスープの素をお玉で3杯(約240cc)。酒、みりんを入れると同時にオレンジのラベルに「かくし味」と書かれた調味料をお玉に1杯半(120cc)。錦風は「押尾川親方の故郷に本社がある秋田で超有名な白だし(東北醤油)。塩キムチちゃんこの隠し味です」と説明。秘伝のつゆでうま味が出る。
キムチの素(もと)をお玉に2杯入れて辛みを加える。床豪は「キムチの素なら『桃屋』。キムチそのものでもOK」。鶏肉、大根、玉ねぎなどを投入すると完成だ。22年2月の部屋創設後にできたメニューで、(元大関・琴風が師匠だった)尾車部屋から伝わる和風塩ちゃんこを作っていたときに、差し入れでもらったキムチをたまたま入れたら、美味で定番化したという。
同親方は「稽古が厳しい分、食事に同席して楽しい時間にすることを心がけている」。入門から20キロ増やし160キロになった部屋がしらの十両・風賢央(26)は「ちゃんこがおいしいから無理せず増量できる」と感謝。新旧が融合したちゃんこで戦う体を作る。(山田 豊)
◆塩キムチちゃんこ(4~5人前)
▽材料 鶏肉400グラム、キャベツ6分の1個、玉ねぎ中1玉、にんじん1本、大根5分の1、えのき1袋、もやし1袋、ニラ1袋、豆腐300グラム、にんにく、しょうが、鶏ガラスープの素、酒、みりん、かくし味(白だしでも代用可)、塩、こしょう、ごま油を適量、キムチの素(またはキムチ)
▽作り方 〈1〉鍋で500ミリリットルの水を沸騰させる。鶏ガラを小さじ5、酒とみりんを大さじ4、かくし味(白だしでも代用可)大さじ2を入れ、中火で煮たせる〈2〉にんにく、しょうが少量、塩、こしょう、ごま油少々。キムチの素を大さじ2~3(キムチ代用可)入れて弱火で煮込む〈3〉鶏肉を入れる〈4〉豆腐、えのき、薄切りにした玉ねぎ、乱切りにした大根とにんじんを入れて弱火〈5〉ちぎったキャベツ、ざく切りにしたニラ、もやしを入れて完成