【高校野球】常葉大橘「三本の矢」で１３年ぶり頂点狙う…静岡県大会７・５初戦「ラストアオハル」…話題校紹介 (2025年6月14日)

ノーシードの常葉大橘が「三本の矢」で、２０１２年以来の頂点を狙う。技巧派右腕の渡辺琉響（るきあ、３年）が先発で流れを呼び込み、最速１４０キロ超えのエース左腕・秋山創大（３年）が２番手に控える。パワー自慢の本格右腕・鈴木太陽（３年）が守護神として締めるのが、勝利の方程式になっている。 制球力が自慢でテンポのいい渡辺が、先発で試合をつくる。「５イニング。最低でも４回は投げたい。守備からチームに流れを呼び寄せたい」と、抱負を語る。首脳陣いわく「器用貧乏」で内野と投手兼任だったが、今季から投手一本に絞った。「８割の力でも抑えられるようになってきた」と手応えを口にする。 ２番手で控えるのが、左腕の秋山だ。昨秋は県８強に貢献するなどエースの活躍を見せた。ただ、今春は県予選初戦の藤枝東戦で先発したが、途中で崩れて５点リードから逆転負け。初回に最速１４１キロを出したが、途中から球速が落ちた。「完投にはこだわらない。先発は琉響に任せて、自分はその流れに乗りたい」と、中継ぎとして自分の役割に徹する構えを見せる。 左太もも肉離れで今春は出遅れていた鈴木が、ストッパーを務める。最速１４０キロ超とフォークが武器。５月に復帰した右腕は「打てるものなら打ってみろって気持ちで投げたい」と、力こぶを作った。 タイプの違う３投手がそれぞれ役割を分担されている。３人の合言葉は「３人で１試合を３失点以内に抑える」こと。「ビッグイニングをつくらせず、１イニングを最少失点に抑えたい」と声をそろえる。１３年ぶり４度目となる夏の甲子園へ“三位一体”で勝利の継投を完成させる。（塩沢 武士） 〇…主将の磯谷怜皇（れお）捕手（３年）が、タイプの違う３投手を巧みにリードする。調子を把握するために、普段からブルペンで積極的に声をかけることを意識している。名前は両親がアニメの『ジャングル大帝レオ』から取って名付けたようで、「かっこよくて気に入ってます」。投手陣を操り、チームに勝利を呼び込む。