◆明治安田J2第19節 札幌2―2今治(15日、プレド)

 北海道コンサドーレ札幌が白星を取り逃がし、13位で前半戦を終えた。ホーム・今治戦は前半36分に先制を許したが、後半13分にMF近藤友喜(24)がPKを獲得。

MF高嶺朋樹主将(27)が1度は相手GKにセーブされながら、こぼれ球を押し込んで同点とした。同24分には高嶺が左ミドルを決めて逆転するも、同46分に追いつかれ、2―2で引き分けた。勝ち点2を失った格好で、プレーオフ圏の6位磐田との勝ち点差は10に広がった。後半戦での爆発が不可欠な状況となった。

 引き分けを告げる笛が鳴った瞬間、本拠地プレミストドームは静寂に包まれた。

 今治に10本のシュートを浴びた前半、GK菅野孝憲(41)の3度にわたるスーパーセーブなどで1失点にとどめた。迎えた後半、今季札幌に復帰した高嶺が3年ぶりの得点を挙げると、立て続けに勝ち越し弾。背番号6のプロ初となる1試合複数得点で、逆転に成功した。しかし、後半46分、パスミスを奪われて同点に追いつかれ、手にした勝ち点は1のみ。岩政大樹監督(43)は「必要な勝ち点を得られなかったという意味では、もったいない試合」と3戦ぶり白星を逃した悔しさを言葉にした。

 指揮官は6月に入って獲得した宮大樹(29)と浦上仁騎(28)を左右のセンターバックで起用。宮は声で仲間を鼓舞し、ロングボールで好機をつくり、浦上も球際の強さと運動量で存在を示した。

しかし、J通算138試合目は2失点での引き分けに終わり、「勝ちたかった。その一言に尽きます」。第一声で悔しさを口にすると、「相手が何をされたら嫌かを考えてプレーすることや、イージーミスは減らさないと。上位に行くためにはそこが必要」と課題修正の必要性を強調した。

 前半戦を6勝4分け9敗の勝ち点22で終えた。プレーオフ圏の6位磐田との勝ち点差は10。岩政監督が「自分たちが目標としていた勝ち点には圧倒的に足りない」と言うように、1年でのJ1復帰への道のりは険しい。それでも、後半戦は19試合中11試合を本拠地で戦える。

 主将の高嶺は「ホームで全勝するくらいの勝ち点でないと昇格には届かない。必ず勝っていきたい」と必勝を期す。その上で「新しい選手も入って、競争も激しくなってきて、ピースはそろっているので。あとは自分たちがやるだけ」と皆の思いを代弁し、前を向いた。

もう半分終わった、ではない。戦いはまだ半分、残っている。(砂田 秀人)

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