◆明治安田J1リーグ▽第21節 横浜FM0―1岡山(21日・日産スタジアム)
7試合が行われ、横浜FMはホームで岡山に0―1で敗れた。J1で最下位と低迷が続き、クラブ初のシーズン2度目の監督交代を決断した直後の一戦だったが、前半17分に岡山FWルカオ(29)に先制点を奪われると、猛攻も及ばず。
攻めても、攻めてもゴールは遠かった。横浜FMはシュート3本がポストに阻まれ、前半にセットプレーで喫した失点が重くのしかかっての敗戦。キスノーボ監督が退任し、クラブ初のシーズン中2度の監督交代という危機的状況を経て、暫定で指揮を執った大島秀夫ヘッドコーチ(HC、45)は「勝ち点を積み重ねられなかったつらさはある」。17本のシュートは実らず、昇格組の岡山に屈辱の2戦2敗を喫した。
勝負手は機能したが、最も大事な結果につながらなかった。大島HCは、FWエウベルを3月1日以来の先発で起用した。「この3人なら点が取れると判断して」と、前任2人の監督が守備に重きを置いたことで封印されていた、FWアンデルソンロペス、FWヤンマテウスとのブラジル人トリオによる3トップを今季初めて解禁した。
左ウィングのエウベルと右ウィングのヤンマテウスが高い位置を取り、縦への積極的な仕掛けで前半から何度もゴールに迫り、ボールを奪われても即座に回収し、2次、3次攻撃を展開。「自分たちがやろうとしている姿勢は見せられた」。今季最もスタンドを沸かせる内容だっただけに、是が非でも勝利が欲しかった。
それでも、ゴール裏のサポーターは試合後も声援で鼓舞し続けた。中3日で25日には17位FC東京戦(日産ス)が控える。「自分たちが目指すものは絶対に間違っていないと思いますし、それを体現してくれた。全員で積み上げて、勝ちにつなげていく」と大島HC。残り18試合。Jリーグが開幕した93年から一度も降格のない名門は、よみがえった攻撃的サッカーを貫き、何としてでもJ1に残留する。(後藤 亮太)