◇明治安田J2リーグ 第20節 札幌3―1藤枝(21日・藤枝総合運動公園サッカー場)
藤枝戦で一番良かったのは、バカヨコが後ろばかりを向いてプレーするのではなく、前を向いてキープしたりシャドーの選手をうまく使えていたこと。代わって入ったマリオもそうだったが、彼らがスペースをつくる、いわゆる深みが取れたことを相手が嫌がっていた。
2人を含め、前の選手をもっと生かすために改善してほしい点がある。ビルドアップでボランチがDFからボールを受ける際、ほぼ後ろ向きの状態でもらっていたことだ。荒野はうまくフリックしてかわしたりもしていたが、自陣ではリスクが高すぎる。もっといい体勢でボールを受けてほしい。
そこをスムーズにするには、全体が意思を共有するしかない。センターバックがあえて遊びのパスを出し、ボランチが返してサイドに展開するなどの連動ができていればいいが、遊びなのかつなぐのか分からないボールが多かった。体の向きがいい状態で受ける形をいかにつくるか、パスの質で相手をおびき寄せていい状況をつくっていくか、工夫が必要だ。DFからボランチだけでなく、もう1つ前の位置やFWにパスをつけられれば、相手をどうしようもなくさせられる。
DFの宮と浦上が入り、ハイプレスの相手に簡単なミスでやられることがなかったように、4バックは本当に安定した。そこに質の高いパス回しが加わってくれば、チームはがらっと変わっていける。(吉原 宏太、1996~99年札幌FW)