◆サッカー女子◇東海高校総体 ▽リーグ戦 常葉大橘10―0帝京大可児 ▽同 常葉大橘8―0三重 (22日・伊勢フットボールビレッジ)

 常葉大橘が自力では初の全国総体出場を決めた。初日(21日)は聖カピタニオ(愛知)に2―0。

最終日のこの日は第1試合で帝京大可児(岐阜)に10―0で大勝して2位以上を確定させると、第2試合も三重(三重)に8―0。2戦とも被シュート0の“完全試合”を達成し、3戦合計で20得点無失点と圧倒的強さで東海を1位通過した。全国大会は7月28日、北海道で開幕する。

 静岡県大会決勝で全国5連覇中の女王・藤枝順心を破った常葉大橘が、東海でも圧巻のゴールショーで全国への扉を開いた。1勝同士で迎えたこの日の第1試合・帝京大可児戦も立ち上がりから敵陣に襲いかかる。ゴール前を固める相手をクロスで揺さぶり、前半17分、右からのボールを受けたFW石内日彩(3年)が先制弾。「あそこに入ってくることは予想していた」。攻撃に“着火”した背番号9が胸を張った。

 21日は気温29・2度。この日も29・5度を記録したが、先発はGKの入れ替えだけにとどめた。「全国でも連戦はある。やってもらわないと」と落合史裕監督(35)。

強い日差しを浴びても運動量は落ちず、攻守の切り替えも上回って被シュート0の完全試合を演じ切った。でも2得点。海外クラブの映像などを参考に選手中心に話し合ってデザインしたセットプレーも威力を発揮した。2アシストに加え、第2試合ではCKを直接放り込んだMF小島あのん(3年)は「いい所に蹴ることができた」と笑みを浮かべた。

 “12番目の戦士”も力をくれた。県大会決勝で左足甲を痛めたFW松浦芽育子(3年)は背番号10のままベンチ入り。他にも複数の故障者がいる中、指揮官は「チームに与える影響が大きい」とプレーできないエースもメンバーに加えた。松浦は横断幕の掲示や飲料の準備など痛む足を抱えながらサポート。「芽育子を北海道に連れて行く」はチームの合言葉になっていた。

 第2試合の三重戦も気温が31度に上昇する中、再び被シュート0の完勝。3戦合計で20得点、失点0、うち2戦は“完全試合”と圧倒的数字で順心に負けないインパクトを残した。全国総体には18年に「開催地枠」で出場しているが、自力での切符獲得は初。

DF望月寧々主将(3年)は「暑さに慣れ、強度ももっと上げたい」と1か月後の本番を見据え、松浦も「間に合わせます!」と復活を誓った。

(武藤 瑞基)

 〇…伏兵が猛アピールした。21日は出番なしで終えたMF田村彩心(1年)は帝京大可児戦に途中出場すると公式戦初ゴールを含む2得点、三重戦も先発で2発を放り込んだ。「先輩たちが後ろで頑張ってくれていたので、貢献したかった」。今大会4得点はチームトップタイ。身長155センチと小柄だが、しぶとくこぼれ球に食らいついた。「全国でも持ち味を見せたい」とより大きな舞台でも輝く。

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