新日本プロレスは23日、都内のホテルで記者会見し柔道男子100キロ級で2021年東京五輪金メダルのウルフ・アロン(29)の新入団を発表した。柔道世界王者の新日本プロレス入りは、1997年デビューの小川直也さん(以下敬称略)以来となる。

 “柔道王”小川は五輪こそ銀メダル(92年バルセロナ五輪95キロ超級)だったが、柔道の世界王者に4度、全日本王者に7度も輝いた当時の柔道重量級の顔だった。

 1997年4月12日、東京ドームでのデビュー戦の相手は、IWGP王者の橋本真也。戦前の不利予想を覆し、必殺技STO(スペース・トルネード・オガワ)を繰り出して、最強レスラーを裸絞めに落として勝利をつかんだ。

 小川の「プロ」デビュー戦は異例づくしだった。舞台は6万500人が集まった東京ドーム。“燃える闘魂”アントニオ猪木、初代タイガーマスクの佐山聡が指導にあたり、総合格闘技とプロレスが交差するきっかけを作った。

◇小川直也のプロレスデビュー年の戦績

97・ 4・12東京ドーム   〇 9分25秒 TKO       橋本真也●

    5・ 3大阪ドーム   ●10分20秒 TKO       橋本真也〇       

    7・ 6真駒内アイス場 〇 8分30秒 三所絞め      山崎一夫●

    8・10ナゴヤドーム  ● 6分39秒 TKO       グレート・ムタ〇

    8・31横浜アリーナ  〇 6分25秒 変形三角絞め    スコット・ノートン●         

    9・23日本武道館   〇11分14秒 裸絞め       ブライアン・ジョンストン●     

    9・27アムステルダム 〇 2分15秒 裸絞め       レンズ・フローライト●

   11・ 2福岡ドーム   〇 3分19秒 逆十字固め     エルウィン・フレークル●

98・ 1・ 4東京ドーム   ● 8分47秒 レフェリーストップ ドン・フライ〇

 ◆小川 直也(おがわ・なおや)1968年3月31日、東京都生まれ。八王子高1年から柔道を始め、明大2年の87年、世界選手権無差別級で19歳7か月の当時史上最年少V。89、91年も勝ち、史上初の3連覇。全日本選手権優勝7回(89~93、95~96年)。五輪は92年銀、96年5位。97年、日本中央競馬会を辞め、プロ格闘家に転向。

99年、NWA世界ヘビー級王座を獲得。K―1、UFO、PRIDE、ハッスル、IGFなど多くのマットで活躍した。現役当時は193センチ、115キロ。

編集部おすすめ