柔道男子100キロ級で2021年東京五輪王者のウルフ・アロン(29)が23日、都内で会見し、新日本プロレスへの入団を発表した。同日付で所属契約を結び、来年1月4日に東京ドームでデビューすることが決定した。
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ウルフがスター選手になる可能性は高いとみる。「バックボーンとして柔道はあり続ける」と語るように、一つは柔道選手として培った経験だ。受け身など技術面の違いはあるが、取材で自身や他の選手の試合を語る内容は理論的で緻密(ちみつ)。自国開催の重圧に打ち勝って東京五輪を制したメンタル、“ウルフ・タイム”と称された抜群のスタミナも強みとなるはず。
もう一つの武器はトーク力だ。東京五輪後は多くのテレビ出演などを通じ、臨機応変な受け答えで人気者となった。この日の会見は「久しぶりにすごく緊張した」。珍しく表情も言葉も硬かったが、場に慣れるにつれ、プロレスには欠かせないマイクパフォーマンスでも本領を発揮してくれるだろう。(17~24年柔道担当・林 直史)
「リングネームみたいな名前なので」
◆ウルフに聞く
―新日本を選んだ理由。
「ずっと見てきたのが新日本プロレスだった」
―印象に残っているプロレスラーは。
「16年6月の内藤選手とオカダ選手の試合。体や気持ち、全てがぶつかっているのを見て心を動かされた。
―リングネームは。
「リングネームみたいな名前なので、いじる必要はないのかなと僕自身は思っているけど、どうなるか分からない」
―必殺技は。
「柔道技を生かせる部分があればやりたいと心の中にちょっとした希望はあるけど、まずはちゃんとしたプロレスの動きができるようになることが大事」
―総合格闘技は選択肢にあったのか。
「全くない。オファーもなかった」
―目指すタイトル。
「IWGPヘビー級王座を取りたい気持ちはあるけど、今考えることではない。柔道の時のように、目の前の目標を一つ一つクリアしたい」