J1横浜FMの大島秀夫新監督(45)が24日、神奈川・横須賀市内のクラブハウスで就任会見に臨み、J1残留へ不退転の決意を示した。キスノーボ前監督の退任を経てヘッドコーチから正式に昇格。

大島新監督は「この状況を打開するために自分の全部を懸けて乗り切っていく。最終的に笑顔で終われるようにひたすらやる」と意気込んだ。

 最下位と低迷が続き、クラブ初となるシーズン2度の監督交代という危機的状況の中で迎える初の監督業。1993年のJリーグ開幕から一度も降格のない名門を率いることに「ものすごくプレッシャーを感じています」と口にしたが、クラブOBでもあり、21年からコーチを務めて選手と近い距離でコミュニケーションを取ってきた経験は、難局を乗り切るための大きな武器になる。対話路線を継続し「みんなでつくり上げる、そういう姿勢を持てば必ず打開できる」と前を向いた。

 暫定で指揮を執った21日の岡山戦は0―1で敗戦も、前体制では見られなかった攻撃的なサッカーで期待感を抱かせた。25日の17位FC東京戦からJ1残留を争うライバルとの試合が続く。勝ち点14で、残り18試合。「残留ラインは(勝ち点)41あたりと計算している。泥臭くても、勝ち点3をもぎ取っていく」。チーム一丸でどん底からはい上がる。(後藤 亮太)

 ◆大島 秀夫(おおしま・ひでお)1980年3月7日、群馬県生まれ。

45歳。前橋育英から横浜Fに入団し、京都、山形を経て、2005―08年は横浜Mでプレー。07年には日本人最多の14得点をマーク。16年に北九州で引退。引退後の17年から横浜Mジュニアユースコーチ、21年からトップのヘッド、アシスタントコーチなどを歴任。184センチ、80キロ。

 ◆オリジナル10 Jリーグ創設年(1993年)を戦った10クラブを指す。鹿島、横浜M、広島、清水、G大阪、東京V(当時V川崎)、名古屋、浦和の8クラブは現在もJ1所属。千葉(当時市原)はJ2所属で、横浜Fは98年度限りで消滅した。鹿島、横浜Mはともに1度も降格経験がなく、今年5月に横浜Mのホームで行われた第18節(横浜M3〇1鹿島)が33年連続71度目の対戦だった。次の両チームの直接対決は12月6日に行われる最終節。

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