東京・町田市内にあるJ1町田のクラブハウスに25日、青森市の西秀記市長が訪問した。来年からの秋春制への移行にともない、夏場での青森キャンプ実施へアピールした。

 西市長との対談を行った黒田剛監督は「わざわざ足を運んでいただけたのを光栄に思いますし、感謝を申し上げたいと思います。今後のキャンプが滞りなく、このまま順調に計画し進んで行ければいい。色々な人たちと十分に、入念なミーティングと協議を重ねながらいいものを作りあげたい」と、青森市でのキャンプ実施へ向けて前向きな姿勢を見せた。西市長も「私の方から黒田監督に直接このキャンプの誘致のお話をする機会が今までなかったものですから、一度その機会を作りたいと思って今日やってきました」と訪問の意図を説明すると「黒田監督が青森に対して非常に強い思いをお持ちだとこれまでも連絡を取っている中で重々感じておりました。今日、それをまた改めて強く感じました。我々としてもしっかりと受けいれるような準備をしたい」と話した。

 23年12月に秋春制への移行が決定した直後から、青森市でキャンプ誘致への取り組みを開始。今年の1月に沖縄・名護で行われた町田のキャンプにも視察に訪れたという。原靖フットボールダイレクターを含めた町田の関係者も既に訪れ、グラウンドや宿泊施設などの環境面を確認したことも明かした。青森市は誘致にともない、県が所有する新青森県総合運動公園陸上競技場(カクヒログループアスレチックスタジアム)を第一候補に、市が所有する天然芝のグラウンドを2か所提示しているという。

 青森市はキャンプ実施における経済効果と、日本トップのサッカーリーグであるJ1のチームが訪れることによるスポーツ振興に期待しているという。黒田監督も「私も教員をやっていたので、小中高生にはJリーグ、J1リーグを青森でなかなか開催されることがなかったので、それを間近に見れるチャンスを与えて上げたいし、選手とふれあうことも実施していきたい。

青森でJ1リーグが身近に感じられるようにしたい」と意義を語った。

 黒田監督にとって、青森市は青森山田高のサッカー部でコーチと監督合わせて29年過ごした思い出の地。22年に監督を退任してから3年経過した今でも思いは強い。青森山田で理事を務めていたという西市長も「青森山田高校のサッカー部を1から立ち上げて、あそこまで成長させたのは本当に黒田監督の教え方、指導のおかげ」と感謝する。まだ正式にキャンプ地に決まったわけではないが、黒田監督は「青森に何かしら恩返ししたいというのも私の頭の中にある。このままうまく来年のキャンプが実施できるようにこちらかもぜひお願いしたいと思います」と、来夏の“凱旋(がいせん)”を見据えていた。

編集部おすすめ