金足農・吉田大輝、いきなり沖縄尚学・末吉良丞と好投手対決　第２日の登場に中泉監督「ちょっと早い」 (2025年8月4日)

第１０７回全国高校野球選手権大会（５日から１８日間・甲子園）の組み合わせ抽選会が３日、大阪市内で行われ、オリックス・吉田輝星投手の弟・大輝投手（３年）を擁する金足農（秋田）は、２年生左腕・末吉良丞が注目の沖縄尚学と対戦する。 兄超えの全国制覇を目指す金足農・吉田の前に強敵が立ちはだかった。先にくじを引き終えた佐藤晃真主将（３年）は首を長くして対戦相手の決定を待ち続けた。そして横に飛び込んできたのは沖縄尚学。「やっと決まったなと」。最速１５０キロ左腕・末吉と最速１４６キロの剛腕・吉田の好投手対決が決定した。 相手にとって不足なし。中泉一豊監督（５２）はこれまで通りエースを軸にした投手戦を見据えている。「秋田大会から、２失点以内という目標は変わらない。とにかく出塁して、なんとかチャンスをものにする」。そして佐藤晃は早くも“お家芸”宣言だ。「（末吉は）左でそうそういない好投手。小技を絡めて相手を崩していきたい」と得意のバントなどで左腕をかき回し、吉田を援護する。 吉田は昨夏もエースとして聖地に足を踏み入れたが初戦で西日本短大付に７回５失点と打ち込まれ、チームも４―６で敗れた。「全員が去年の悔しさを持って戦えるように」（佐藤主将）と、今大会出場決定後に目標を再設定。練習場のホワイトボードに記してあった誓いは「明桜 圧倒して甲子園」から「リベンジ」へと書き換わった。 第２日の登場となり中泉監督は「ちょっと早い。もうちょっと時間が欲しかった」と苦笑い。吉田の状態について「健康体とは言えないかもしれない」と疲労を懸念したが、兄はそれを乗り越え、夏を投げ抜いた。「絶対に輝星を超える」という１８年の準優勝を上回る“金農旋風”の再来へ。好投手対決を制することがその第一歩となる。（古澤 慎也） ▽吉田大輝（金足農） 秋田大会５試合３４回３失点、奪三振２６、最速１４６キロ