◇陸上 アスリートナイトゲームズ 第1日(15日、福井県営陸上競技場)
男子走り高跳び決勝で瀬古優斗(27)=FAAS=が日本歴代2位タイ、今季世界4位タイとなる2メートル33の大ジャンプで優勝した。2メートル30を3回目で跳びきると、9月の東京世界陸上の参加標準記録(2メートル33)を2本目にノータッチでクリア。
瀬古が華麗に跳んだ。2メートル33をノータッチでクリアし、「信じられない。うれしい」と右人さし指を空高く突き上げた。世界陸上前最後と位置づけていた大会で、参加標準記録を文句なしに突破。試合後は、日本歴代2位タイの好記録にバーをかけ直して手を伸ばし、「俺、これ跳んだん?」と余韻に浸った。
持ち味は「地面をえぐるような踏み切り」とアピール。小学生時代はバレーボールを経験し、「(スパイクと)リズムが似ている」と、高跳びにも生かしている。
世界陸上の代表入りを大きく引き寄せた。初の大舞台が約1か月後に迫る中で「今日以上のものを出すために何ができるか、考えていかないといけないと思っています」と、さらなる鍛錬を積むつもりだ。
この日ラストに失敗した、日本記録(2メートル35)超えの2メートル36も視野に入る。「皆さんの力を借りて、しっかり臨みたい」。
◆瀬古 優斗(せこ・ゆうと)1998年3月16日、滋賀・大津市生まれ。27歳。瀬田北小時代はバレーボールをプレーし、瀬田北中から陸上部所属。草津東高から中京大に進んだ。現在は滋賀県スポーツ協会の所属で、滋賀の陸上スクール「FAAS」のコーチをしながら競技に取り組んでいる。24年アジア室内選手権は銀メダル。「コンタクト(レンズ)が怖くて入れられない」ためメガネスタイル。180センチ、66キロ。
◆東京世界陸上への道 昨年のパリ五輪で8位以内の選手は、今年1月以降に各種目で設定された参加標準記録を突破すれば内定。主要選考競技会の日本選手権(7月4~6日、東京・国立競技場)で3位以内に入った選手も、同突破で内定となる。参加標準記録の有効期間は今月24日まで。