◆プロボクシング ▽WBO女子世界スーパーフライ級(約52・16キロ以下)タイトルマッチ10回戦 〇王者・昼田瑞希(判定3―0)同級8位ナオミ・カルデナス(8月15日=日本時間16日、米カリフォルニア州チュマッシュ・カジノ・リゾート)
WBO女子世界スーパーフライ級王者・昼田瑞希(29)=三迫=が、挑戦者の同級8位ナオミ・カルデナス(26)=メキシコ=を3―0の判定で下し、5度目の防衛に成功した。
戦績は昼田が9戦全勝(2KO)、カルデナスが9勝(2KO)1敗。
サウスポーの昼田は、序盤から体を密着させて攻めてくるカルデナスに的確に左ストレートをヒットさせ、終始主導権を譲らなかった。ジャッジの採点は、2者がフルマークの100―92、1者が98―92の大差をつける完勝だった。
3戦連続で米国での防衛戦に勝利した昼田は、リング上ですべて英語でインタビューに答えた。主催者や対戦相手に感謝を述べると、次戦で戦いたい相手を問われ「エニィワン、エブリワン オール エブリバディ、カモンベイビー」と答え、会場の笑いを誘った。
続けて「1週間前、私は親友を失いました。彼は勇敢なボクサーでした。どうか、祈りの中で彼のことを覚えていてください」と、涙で声を詰まらせながら、8日に28歳で死去した日本・東洋太平洋スーパーフェザー級5位・神足茂利さん(M・T)に言及。米ロサンゼルスのジムでともに練習した親友を悼んだ。
最後は再び笑顔でマイクを握り「サンキューベリーマッチ。アイラブユー。No pasa nada!(スペイン語で「どうってことないよ」の意味)」と絶叫。観客の歓声を浴びた。
また試合後、所属ジムを通じ「なんとか勝つことが出来きました! もっともっと強くなりたいです! 無事勝てて、無事リングを降りられてホッとしています。 本当に感謝の気持ちでいっぱいです! もっと強くなって帰ってきます。No pasa nada!」とコメントした。
今回の試合は、14日(同15日)の前日計量で、挑戦者のカルデナスがリミットを0・8ポンド(約363グラム)超過して計量失格。両陣営合意の上、昼田が勝利の場合はタイトル防衛、カルデナスが勝利の場合はタイトル空位という条件で実施された。
昼田はアマチュアで29勝(13RSC)16敗の成績を残し、21年10月にプロデビュー。22年12月にプロ4戦目でWBO女子世界スーパーフライ級王座を獲得。今年5月の4度目の防衛戦では、米国で最も権威のある専門誌「ザ・リング」の認定王座も獲得。ボクシング記録サイト「BoxRec」で同級1位にもランクされている。