◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
今年の大相撲夏巡業は例年になく日程がハードだという。8月3日の大阪・万博場所に始まり、昨年より7日増の26日間で24か所。
本場所に向けて充実した稽古を積むためにも、車内での過ごし方は重要だ。幕内・安青錦は出身のウクライナで大会出場のため、片道30時間のバス移動も経験しており、「慣れているので。(座席に)何か敷いて寝ている」と涼しい顔。一方で小結・欧勝馬は眠れないことが悩み。腰に不安も抱え、「常に動いている」と座る姿勢を頻繁に変えて乗り切るという。
同様に過酷なのが卓球だ。選手たちは世界ランクのポイントをかけ、世界ツアーで各地を転戦する。11日まで開催されたWTTチャンピオンズ横浜。張本美和、橋本帆乃香ら出場した一部の選手は、直前までブラジルで世界ツアーに参戦していた。
選手に同行するスタッフも「時差ぼけというより、時差が何時間という感覚がなくなる。今どこにいるのか、分からなくなる瞬間がある」と苦笑するほどの厳しい環境下で、選手は奮闘している。連日の酷暑に疲労も感じていたが、選手たちのタフさに触れ、身が引き締まる思いだった。(相撲担当・林 直史)
◆林 直史(はやし・なおふみ)2007年入社。プロ野球、サッカーなどを経て25年から現職。五輪は夏冬4大会を取材。