◆アーチェリー◇国スポ・東海ブロック大会 ▽成年女子団体 〈1〉静岡(杉本、山内、渡辺)1850点〈2〉岐阜1796点〈3〉愛知1773点〈4〉三重1764点(17日・小笠山総合運動公園多目的広場)

 成年&少年男女の4種目が行われた。3選手の合計点で争う団体戦で、世界選手権(9月7日開幕・韓国)の日本代表・杉本智美(30)=ミキハウス、浜松商高出=を擁する静岡の成年女子は1850点で2位の岐阜に54点の大差をつけ、1枠しかない本大会(10月・滋賀)切符を手に入れた。

少年男子が2位で7年ぶり、同女子も3年ぶりに本大会出場権をつかんだ。

 日の丸戦士が、地元のために一肌脱いだ。来月の世界選手権に出場する杉本が、個人では621点で12人中2位。チームメートで高校、大学の後輩、山内梓(26)=近大職員、浜松商高出=に1点及ばなかったものの、国スポの出場権獲得に貢献した。「練習通りに打てればいいと思っていたけど、ちょっと風を気にしすぎました」と、反省も忘れなかった。

 普段は、関西を拠点に活動している杉本にとって、国スポは地元とのつながりを保つ大事な大会。「いつも応援してもらっているし、恩返しの場だと思ってます」。国体時代の3年前に優勝。国スポに名前が変わった昨年は、チームを初代女王に導いた。静岡の看板を背負って戦うことが、アスリートとしていい刺激にもなっている。

 10月の本大会を前に、まずは、大舞台が待っている。韓国・光州で行われる世界一を決める大会で、各国の猛者たちと対戦する。

今月下旬には韓国での事前合宿に入り、そのまま本番に向かう。

 世界選手権は、今回で5度目の挑戦だ。「メダルとか結果を狙いにいくのではなくて、まずは、自分のやるべきことに集中したい」。静岡を愛する日本女子アーチェリー界の第一人者が、無欲で戦いの場に向かう。(塩沢 武士)

 〇…少年女子は大黒柱の鈴木麻優子(浜松北3年)が、578点をたたき出し12人中トップ。全体的に風に苦しむ選手が多い中、粘りの射的で得点を積み重ねた。「私が悪い時、ほかの2人が頑張ってくれたので安心感があった」と、笑顔。県総体では加藤碧(浜松商3年)と548点で並び、シュートオフの末に敗れ、全国出場を逃したが、「国スポは2人で出られてうれしい」と喜びを分かち合っていた。

 〇…少年男子はエース・松島一誠(浜松北3年)が12人中2位の好成績でチームを引っ張った。「もう少し点を取りたかった」。強風に苦しみ602点と自己ベストの636点には及ばなかったが、7年ぶり本大会切符確保という最低限の仕事は果たした。春の全国選抜で4位と健闘したが、夏の全国総体では決勝トーナメント初戦で敗退。

「せっかく出るので一番上を狙っていきたい」と、秋の国スポでリベンジを果たす。

 ◆大会方式 1チーム3人による団体戦。本大会の出場枠は成年が1で少年は2。1人が12エンド(1エンド6射を12回)で計72射(720点満点)を打ち、3人の合計点で順位を決める。

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