歌舞伎俳優の市川團子が1日、東京・歌舞伎座で初日を迎えた「錦秋十月大歌舞伎」(21日千秋楽)「通し狂言 義経千本桜」第3部「川連法眼館」で佐藤忠信実は源九郎狐を演じた。

 「四の切」の通称で知られる人気演目。

初音の鼓をめぐり、源義経の家臣・佐藤忠信に姿を変えた源九郎狐による親子の情愛を描く。團子は尊敬する祖父・3代目市川猿之助(2代目猿翁)が確立した澤瀉屋型で勤め、狐手や狐言葉、躍動感のある軽快な身のこなしで観客を魅了した。花道の上空を華麗な宙乗りで引っ込む大胆な演出では、場内が万雷の拍手に包まれ、新たなスターの誕生を感じさせた。

 中村梅玉が義経役、坂東新悟が静御前役で出演。さらに川連法眼は95歳の市川寿猿、法眼妻飛鳥は87歳の中村東蔵という大ベテランが勤め、21歳の團子を支えた。また、「吉野山」では尾上右近が清元栄寿太夫として清元の立唄を勤め、美声を響かせた。

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