J2北海道コンサドーレ札幌MF田中宏武(26)が、2度目の兄弟対決で“初白星”をつかみ、上位に食らいついていく。札幌は2日、ホーム・山形戦(4日)に向けて、宮の沢で調整。
仙台戦では「点を取りに行かなきゃいけない展開だったので」と持ち味のドリブルで前に出るも、0―3の完封負け。「仙台の守備がしっかり整備されてはいたが、その中でもゴールとか、数字は残したかった」と悔しさだけが募った。
巻き返しへ「絶対に負けたくない」相手とぶつかる。山形の正ボランチ、MF田中渉は1歳年下の実弟。田中宏が立正大2年の2019年、群馬・桐生第一から当時J1の仙台に加入した弟は「先にプロの舞台で試合にも出てましたし、その部分では一番のライバル」と最も意識する存在だった。
田中宏が2022年に札幌入りするまでは「あまり話も聞きたくなかった」と連絡することも少なかったが「プロになってからは仲良いですね」と笑う。前節までに3枚の警告を受けていた弟には「イエローだけはもらうなよ」と伝え、弟も“実践”したことでかなった直接対決。待ち望んでいた機会に「チームとしてももちろん負けられない状況でもあるけれど、私情を挟んで良いとしたら、1年間のリーグ戦の中で僕としては一番負けられない試合。特別な感情の部分はある。本当に負けたくない」と表情を引き締めた。
田中宏が23年7月にJ2藤枝へ期限付き移籍した際、8月5日の新天地初戦で当たったのが山形。弟が先発し、田中宏が1―1の後半16分から出場した初対決は、1―2で敗れている。2度目の対戦へ「負け越してるし、必ず勝ってタイに持ち込みたい」と必勝を期した上で「プロの舞台で戦えるというのもなかなか無いことだが、それができる状況にあるので。兄の威厳をしっかり見せつけられるように頑張ります」。プレーオフ圏6位との勝ち点7差を縮めるべく、闘志を前面に押し出していく。