昨夏のパリ五輪のマラソンで、そろって6位入賞した男子代表の赤崎暁(クラフティア)と女子代表の鈴木優花(第一生命グループ)が4日、東京・味の素スタジアムで行われたイベント「TOKYO ROKUTAI FES」に出席。6月の結婚発表後、初めて夫婦そろっての参加となった。

鈴木が女子5キロ、赤崎が男子10キロの部のランのスターターを務め、イベントを盛り上げた。

 曇天の下“マラソン夫婦”の笑顔がはじけた。イベントのトークショーに並んで登場。赤崎が「2人では初めてなんです。『いつか(イベントに)出られたらいいね』と話していたので、僕はすごくうれしい。プライベートの延長戦みたいな」と大喜び。鈴木も「私も楽しめました」と照れながら笑った。スターターの大役には互いの仕事ぶりに2人とも「100点」をつけた。赤崎が「楽しそうだったので」と言えば、鈴木は「(ランナーに)声をかけていて場を盛り上げようとしていた」と褒め合い、アツアツぶりも見せた。

 普段は赤崎が福岡、鈴木が東京に拠点を置いており、夫婦は別の場所で活動しているが、会った時には一緒にジョグを行うなど、トップ選手同士で支え合っている。レース前には「調子どう? 」と連絡して相談し合うといい、鈴木は「レース何日前だから、こういう練習が入ってくるよねとか、具体的な話をする」と競技の話題も多いという。赤崎も「奥さんは、ご飯に関しては勉強しているので、そういう面のサポートは助かりますね。

互いに足りない部分を補えているかな」と妻の存在に感謝した。

 9月のベルリン・マラソンでは、赤崎が自己新記録の2時間6分15秒で2位。日本陸連が定める条件を満たし、2028年ロサンゼルス五輪の代表選考会「グランドチャンピオンシップ(MGC)」(27年秋)の出場権を得た。「順位は自信につながる。でも、先頭と約4分差つけられた。暑さは言い訳にはならないので、その差を縮められるようにしたい」と振り返った。体調不良で欠場した鈴木はスマートフォンの映像中継で赤崎の走りを見ていたといい「(実況が)『赤崎が2位』って…えっ!ってびっくりして。でも、2位で本当に入ってきたのでうれしかったです」と刺激を受けた様子だ。

 夫婦の視線は3年後のロサンゼルス五輪だ。「一番はロサンゼルス五輪でメダルを取るという目標があるので、そこに向けてどう取り組んでいくか(出場レースなどを)考えていきたい」と鈴木。赤崎も「夫婦で五輪に出たいという思いがまずはあります。もちろん、奥さんがメダルを狙うなら、僕も狙っていきたいです。

ただ、まずは目の前だと僕は思っているので、目標を見失わずに足元を見てやっていきたいです」。マラソン夫婦が2人の夢に向かって走り続ける。

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