◆東京六大学野球秋季リーグ戦第4週第1日▽東大6―3慶大(4日・神宮)
東大と法大が先勝した。東大は1年ぶりの勝利を挙げ、連敗を17でストップ。
勝利が決まった瞬間、殊勲の左腕・松本がベンチを飛び出した。「甲子園はもちろん、東大で1勝できた」。チームも24年秋の法大2回戦以来の勝利。歓喜の渦の中で、リーグ戦初白星の幸せをかみ締めた。
今季4登板目で初先発。「行けるところまで頑張って大量失点だけはしないように」と初回に先制を許すも、最速142キロの直球にスライダーなど変化球を効果的に織り交ぜ5回1/3を4安打2失点。右手人さし指の負傷で欠場中の正捕手・杉浦海大(4年)に代わってバッテリーを組んだ明石健と慶大打線の分析を重ねてきたことが奏功した。「ちゃんと分析していたんで、しっかり投げたいところに投げられた」と頭脳も駆使した勝利に胸を張った。
1浪を経て東大の門をくぐった。国学院久我山では3年生だった22年にセンバツ出場。
ここで満足するわけにはいかない。目指すは17年秋以来の勝ち点だ。「うまいピッチングがだんだんできるようになってきた」。再びマウンドに上がる準備はできている。(北村 優衣)
▼甲子園&東京六大学リーグ勝利 東大・松本慎之介(国学院久我山)がリーグ戦初勝利。高校では22年センバツで1勝。甲子園で登板し、六大学リーグで勝利した東大投手には、市川武史(80年夏・国立、通算7勝)、楠井一騰(02年春・松江北、通算1勝)らがいるが、甲子園では未勝利。「甲子園&六大学で勝利」の東大投手は、1934年秋・慶大2回戦の梶原英夫(1928年夏に高松中で甲子園2勝、六大学通算4勝)以来、松本が2人目だ。
◆松本 慎之介(まつもと・しんのすけ)2005年1月12日、東京・武蔵野市生まれ。