政治ジャーナリストの田崎史郎氏(75)が、決選投票の末に女性初の自民党総裁となった高市早苗氏が今後どのような人事を行い、政権運営を進めていくのかを予測した。

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 昨年10月の衆院選、7月の参院選で敗れ、少数与党に転落した自民党。

高市新総裁には、保守色の強い政策を掲げて強いリーダーシップを印象づける一方、党内融和を図り、社会保障改革や物価高など経済再建という難題が待ち受ける。

 まずは党役員人事に着手する。総裁を支えるNO2にあたる幹事長は当選回数の多いベテランを起用し、党内にはにらみを利かせる役割を担う。首相に選出された場合、閣僚人事でどのような“高市カラー”を出していくのか。田崎氏は「今回の総裁で貢献した麻生派、茂木派、旧安倍派が相当、処遇されるでしょう。麻生太郎氏が信頼している鈴木俊一氏、裏金問題で活躍の機会がなかった旧安倍派の萩生田光一氏らは要職につく可能性はあります」とした。

 一方で、総裁選を争った茂木、小林、小泉、林の4氏も起用していくとみている。総裁選で激しく戦いすぎたため党内が分断される懸念も出ており、融和策を講じる必要がある。「高市氏は記者会見では安定した受け答えができるようです。ただ、政権運営は毎日が厳しい決断の連続です。生半可な気持ちでは続きません。周りをしっかり固めて、どこまでやれるのか楽しみです」

 総裁選前、公明党は保守色の強い高市氏とは「組めない」というメッセージを出したが、この日、公明党の斉藤鉄夫代表と会談。

関係性をアピールした。組閣前後には、連立交渉を急ぐ必要があるが、その相手は日本維新の会が有力になるとみる。「小泉氏は吉村洋文氏(日本維新の会代表、大阪市長)との関係が良く、連立もうまくいったと思いますが、高市氏の場合は未知数ですね。これまで維新と何か取り組んできたということもない。今後、どのように交渉を進めていくか注視していく必要があります」と指摘した。

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